仕事は人と人との関わりで進みます。自分の意見を持ち、自分に合ったやり方での挑戦も大切ですが、同時にまわりとの関係や状況をふまえながら、自分の意見が最善策なのかどうかを振り返ることも必要です。
自分自身のことはポジティブにとらえられているのに、仕事がうまくいかない。その原因は、「自己肯定感の高さ」と「メタ認知力の低さ」というアンバランスにあります。このタイプの人は、メタ認知力を高めると仕事面で有効です。
メタ認知力を高める方法の1つに「小さなプロセスにして繰り返す」があります。何かにチャレンジしたい、状況を変えたいと思ったときに、「1回で達成する」か「1回であきらめる」のゼロイチ思考に陥り、大きな行動をしようとしたり、壁にぶつかって行動自体を止めてしまいがちです。
新しいことにチャレンジする、やりたいことに向けて進もうとしているときは、ハードルが高く感じるものです。そんなときは大きな行動よりも、小さな行動を1つひとつ着実に実行するほうが現実的です。試行と検証を細かく繰り返したほうが、大失敗も少ないからです。
とはいえ、「小さな一歩だと、目標まで遠すぎてやる気がでない」という方もいるかもしれません。ご安心ください。1日に0.2%の成長でも、1年間繰り返すと2倍になります。小さな行動もあなどれないのです。
たとえば、やりたいことを見つけたい場合であれば、「本屋に行って今どんなことに興味が向いているか探る」「セミナーに参加する」という今すぐ取り組める小さなプロセスからはじめることもできます。
また、脳は大きな変化を嫌う性質があるので、小さなプロセスを積み重ねる方が継続しやすく、毎日少しずつ前進できます。
仕事がしんどいと思ったとき、「転職したら何かが変わるかもしれない」「転職したほうが早いんじゃないか」と思うことがあるでしょう。もちろん、転職して今の苦しい状況を逃れるのは1つの手段です。
でも、仕事で大切なこの2つのスキルを持っていなければ、転職して環境を変えたとしても、ふたたびつらい状況に陥り、仕事でストレスを抱える可能性があります。
まずは、できる範囲の小さな行動を仕事のなかで起こしていきましょう。
小さな行動を積み重ねるほうが、ストレスも少なく継続しやすいですし、軌道修正もしやすくなります。石橋を叩くように小さな変化を積み重ねて、「これならいける!」というタイミングを待つ戦略のほうがいいでしょう。