「日本のお笑い芸人」が英語圏でウケる超納得理由

外国人の話す日本語がぎこちなく聞こえる理由の1つは、英語の感覚でいちいち主語をつけることです。
「ワタシはアナタとご飯を食べに行くのがいいと思っています」
みたいな感じですね。

では反対に、英語に不慣れな日本人の英語はどう聞こえているのでしょうか。

英語に不慣れな日本人が頭の中の日本語でそのまま英語を作ると、主語を省略した文になってしまいます。以下の()の中は英語ネイティブにどう聞こえているかのイメージです。

「Went to Osaka yesterday」(昨日大阪に行った。で、誰が?)
「There was a good restaurant」(いいレストランがあった。で、どこに?)
「Next time, let’s go to Osaka together 」(次回、大阪に一緒に行こう)

まあちょっと違和感がありますが多少想像力を働かせれば理解できなくはないですね。

整理すると、
①英語ではオチにあたる目的語が文末にくる。
②日本語では主語や目的語を省略し、解釈を相手にゆだねる。
となります。

この組み合わせは、もしかするとジョークで笑いをとるのに最強かもしれません。

例えば、シチュエーションコントの定番である医者ネタの場合、執刀医が「汗を拭いて」と言ったら看護師が自分の汗を拭う、骨折した患者を診断した医師が「骨が折れてます」と言ったとき、患者が「ドクター、あなたもですか」と言ってしまう。などなど、これらは医師という権威を持った存在がやや横柄に主語や目的語を省略して喋ることから周囲がいろいろな誤解をする、という笑いのパターンです。

主語や目的語を略す日本語的な英語はこのパターンには最強ではないかと思います。

また、今回の安村さんの例のように、目の前に見えているオチを観客に先に言わせる、というテクニックにも使えるでしょう。

積極的に日本語的な英語を使ってもOK!

ちなみに安村さんの英語、I'm wearing pantsも実は少々おかしいです。現在進行形なので、「私は現在パンツを履いている真っ最中です」となってしまい、もし本当にそうだとするとちょっとTVでは放送できない姿を想像してしまいますね。

しかしそうではないことはコンテクスト的に理解していますので、この程度の文法的不正確さは問題になりません。

なお、これは不正確なだけであって「間違い」ではないと思います。日本人は「間違った英語を話してはならない」と思い込みすぎのように思います。数学の計算は間違えてはいけませんが、英語でもこれと同様にわずかな間違いも指摘する、採点のための教育がなされてきたことの弊害ではないかと思います。

むしろ、積極的に日本語的な英語を使えば人を笑わせることが容易です。日本のお笑いタレントのみなさんは、どんどん海外向けにネタを披露してみてはどうでしょうか? 日本人はジョークのうまい国民だ、という評判を作ることができるかもしれません。

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