管理職は「人を管理する仕事」という残念な勘違い

メンバーを目標達成に導くのに、管理しなくても「支援」することはできます。

「この目標を達成するには、このレベルまで持っていく必要があります。今、ネックになっていることは何ですか? 僕にできるサポートがあれば、何でも言ってください」

このように、ゴールまでの障害を取り除き、あるいは足りないリソースを提供して、目標達成しやすい環境を整えていくことこそ、マネジャーの仕事なのです。

会社組織では、個人もチームも成果を出すことが求められます。これはどの会社でも同じです。では、そのためにマネジャーが果たすべき仕事は何でしょうか。

それは、1人ひとりのメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるための環境を整えることです。すなわち、メンバーが仕事の意義を見出し、仕事を通じて価値を提供するためのプロセスをつくること。これがマネジャーの仕事です。

ところが、一部のマネジャーは、自分の好き嫌いで相手への接し方を変えたり、年齢や性別、価値観などの違う相手に対してバイアスを抱いたり、自分が「正しい」と思うことを相手に押し付けたりしているようです。これは「出来の悪いマネジャー」のすることです。

優れたマネジャーの共通点

優れたマネジャーは「相手起点で考え、相手を生かす」ために動きます。一方、出来の悪いマネジャーは、「自分起点で考え、自分の思いどおりに相手を動かそう」とします。これが優れたマネジャーと出来の悪いマネジャーの違いです。

自分起点で考えるのか、相手起点で考えるのか。矢印がどちらの方向に向いているのかを、マネジャーは意識する必要があります。

マネジャーの仕事を「相手起点」で捉え直すとこうなります。

「あなたが仕事を通じて最高の自分になれるよう支えるのが私の仕事。マネジャーの私は、あなたのためにここにいますよ」

メンバーにこのように伝えることができれば、マネジャーのあり方として申し分ありません。