友人関係も同じ。デラさんの本の中に『友達はいらない』という章がありましたが、私も「来るものは選んで去るものは追わず」なところがあって、友達にはあまりこだわっていません。縁があればまた会えるし、離れるときは離れるし、「そのときそこにいればいい」くらいに思っていますね。
デラさん:みんな、一般的な友達の定義に縛られすぎていますよね。たとえ幼なじみでも、自分にとってマイナスになる人は友達じゃない。自分が心地いいと感じる人と、関わりたいときに関わるだけで十分だと思っています。Jamさんは、相性の合わない人、嫌だな~と感じる人とどうしても一緒に過ごさないといけないとき、どうやってストレスを回避していますか?
Jam:これは編集の友達にもらったアドバイスなんですが、悪役の取材だと思って接するようにしています(笑)。私は漫画家なので、創作のネタにしてしまうっていう。
デラさん:いいですね。ボクも自分の中の辞書にネタとして収録しちゃいます。だから「どうしてそう考えるんですか?」とかあえて質問してみたり。で、得るものだけ得て、時間がきたらサヨナラ。SNSだったらブロック。一緒にいなきゃいけない時間はできるだけいい時間にして、終わったらスッパリ区切るようにしています。もし嫌な気持ちが残るようだったら、ゲームしたりプリン食べたりしてプラマイゼロにする。
Jam:SNSだとなおさら区切りやすいですよね。ログアウトすればいいから。私はリアルな友達とはSNSであまりつながっていないので、ログアウトしても現実世界ではなんの問題もないです。
デラさん:ボク、少しでも嫌だなと思ったら、すぐミュートやブロックします(笑)。そうすると自分のタイムラインがすごく落ち着く。いざとなったら「デラさん」をやめればいいだけの話なので、SNSはけっこう気楽に使っていますね。
デラさん:Jamさんの本では、楽に生きるための気持ちの切り替え方がたくさん紹介されていますよね。なかにはハッとする鋭いアドバイスもありますが、かわいいねこちゃんがゆるい雰囲気を演出していて、すっと心に入ってきました。
ずっと頑張ってきた人がいきなり頑張らないように生きるのは難しいですが、ボクのようにうつ病になって気づくのでは遅すぎます。適度に肩の力を抜いて生きるには、自分の中に「嫌だな」とか「苦しい」とかストレスが生まれた瞬間を見逃さない。心の声にちゃんと耳を傾けて、ストレスの原因を知って、距離をおいたりストップしたりする。
急に人間関係や環境を変えることは難しいかもしれませんが、原因を自覚していればなにかしら対策はとれるので、まずは自分がなにに消耗しているのかに気づくことが第1ステップかなと思っています。
Jam:そうですね。あとは、ストレスに気づいても「もう少しできるはず」と思ってやり続けてしまったり、まわりからどう思われるかを気にしてやめられなかったりする場合があるので、「逃げ場がある」ということを知っておくのも大事だと思います。会社がストレスだったら転職という道があるし、現実からSNSやゲームに逃げたっていい。逃げられないという思い込みが自分を追い詰めてしまうケースは多いですよね。
私の会社員時代の同僚も、「この会社をやめたらもうどこにも行けない」と言って頑張りすぎて心を病んでしまったのですが、いざ会社をやめたらものすごく元気になって、別の場所で活躍しています。