チャンスを掴む人が実践する「たった1つのコツ」

時には鈍感になることも大切

インターネットが浸透した現代社会では、不確かな未来を予測し、立ち向かうには、膨大な情報を集め、敏感に反応することが求められています。しかし、そんな時代だからこそ「鈍感力」も必要だと思うのです。

以前、ラジオの仕事でスタッフと話していて「なるほどな」と思ったことがありました。それは、「Twitterで書き込まれる意見に合わせた番組づくりをすると、99%のリスナーが逃げてしまう」というものでした。

そもそもラジオとTwitterは相性がいいと言われていて、ほとんどのラジオで番組への意見や書き込みなどをTwitterで募集しています。ところが、Twitterの書き込みをしているリスナーというのは全リスナーのわずか1%程度で、いい意味でも悪い意味でも偏った意見が多いのだそうです。

だからTwitterの1%のリスナーの反応を「参考にする程度」ならいいのですが、あまりにもその意見に合わせた番組づくりをしてしまうと、99%のリスナーが逃げてしまうというわけです。これこそ、情報に過敏すぎてはいけないという好例ではないでしょうか。

何か動き出そうとするときに動けない。実行力に欠ける。そういう人は、情報や他人の目、世間体に敏感に反応しすぎていて、「自分の内なる声」に反応できなくなっているのかもしれません。他人の評価を気にしすぎて自分らしさを大事にせず、本来の自分らしさを押し殺してしまうのはもったいないことです。

「絶世の歌姫」と思い込んで起きたこと

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これは映画にもなった実話なのですが、ニューヨークの社交界のトップに歌うことが大好きなフローレンス・フォスター・ジェンキンス(1868~1944)という女性がいました。

マダム・フローレンスと呼ばれていた彼女は自分自身を絶世の歌姫だと思い込んでいて、実は音痴でそれに気づいていないのは自分だけ。それでも、夫の協力を得ながらソプラノ歌手になって音楽の殿堂であるカーネギーホールで歌うという夢を叶えたのです。

もし、マダム・フローレンスが「どうせ私は歌が下手だから……」と世間の目ばかり気にしていたとしたら、カーネギーホールで歌うことなどできなかったでしょう。ある意味での「鈍感力」が彼女をカーネギーホールのステージに立たせたのです。

一歩踏み出せない、そんな人はセルフコントロールしながら、あえて鈍感力を発揮することにチャレンジしてみてください。