組織や慣習に縛られることなく、自分の頭で考え、問題の本質をとらえるには何が必要でしょうか?
私が日ごろから意識している「思考の原則」の一つに「シンプルに!」があります。
物事を難しく考えすぎるあまり、真に問われていることを見失い、かえって答えにたどり着けないことはないでしょうか。
深く考えすぎてしまう背景として、私たちが生きる現代社会が情報過多になったことが挙げられます。いつでもどこでもネットにアクセスできるスマートフォンの爆発的な普及などにより、現代人が1日に接触する情報量は「江戸時代の1年分」「平安時代の一生分」とも言われています。加えて、IT技術の進歩によって、情報伝達のスピードは格段に速くなりました。
しかし、そんな情報過多な時代だからこそ、情報をシンプルに読み込む力と、切り口をシンプルに見つける力の重要性は増しているといえます。雑多な情報にとらわれず、物事をシンプルにとらえることで、結果として最短ルートで正解にたどり着けることが往々にしてあるのです。
ここで1つ、問題を出します。
この問題は、小学生でも理解可能で、取り組める問題です。しかしながら、この問題を解くには、情報を正しくシンプルに読み込む力と切り口をシンプルに見つける力が求められます。さらに言うと、シンプルな思考の整理力も求められます。頭の中がシンプルな方しか素早く解けない問題です。
みなさんは解けましたか? もしかして、今、頭の中で6個と6個を天秤に置いてたりしませんか? もしそうされたのなら、既にシンプルさが欠如して認知バイアスがかかっている可能性が高いです。
1つだけ言っておくとその特定すべきボールが「重い」とは言ってませんから。「重さが異なる」としか言っていないので、12個のボールを6個・6個に分ければ、天秤は必ず傾きますよね。ちなみに、この問題を出すと約半数くらいの方々は「出来ました!」とこの6:6パターンで始めた答えを説明しようとしてくれます。
解き方を解説しましょう。