→安井さんへのキャリア相談は、こちらまでお送りください。
結論から言うとどっちに入ってもその後のキャリアに大した違いは出ません。どの会社かとか、どういった業界・職種か、ということよりもより重要なのは、そこで何をするかです。何を目的として、どんなことを自ら学べるか。つまるところ考えるべきはそれです。
完璧な場所を求めるのではなく、選択した場所を自分自身にとって最高の選択肢とする、というスタンスがいちばん重要なのです。
新卒で戦略コンサルに行くヒトも多くいますし、ベンチャーに行くヒトも多くいます。しかしながら、当然のことですが、全員が理想とするキャリアをその後歩んでいるかというとそんなことはありません。
これは何もその両者だけではなく、どんな会社・業種・職種であろうと、「その後のキャリアにとって完璧な選択肢」にはなりえません。
要は、どんな会社や業種を選ぼうと、その選択肢自体がその後のキャリアを決めるわけでは決してない、ということです。
では何がその後のキャリア展開を決定するかというと、どれだけの経験とスキルを身につけられたか、そしてそれをどう今後のキャリア展開に活かせたか、ということです。「自分にあった学び」と「キャリア展開における戦略性」があるか否か、なのです。
長期的なキャリアで目指すべきゴールがあって、そのゴールから逆算して今何をするべきか、10年後どんなことをしているべきか、などブレイクダウンさせ、着実に個々の小さな、短期的な目標を達成していく、というのが理想論です。
しかしながら、これはあくまでも理想論であり、現実的には、「いつかは長期的で具体的なゴールを持てるように」今できることをやる、というヒトが大半でしょう。
要は仕事をいうものを経験してみて、やってみることで見えてくるものもあると思います。多くのヒトはその延長線で今後のキャリアを考えているのだと思います。
最初から長期のゴールを持つ場合は、今やることがある程度明確になる一方で、そのゴールに過度に縛られないように、状況に応じてゴールの軌道修正や、前提に変化がないかをつねに見張る必要があります。
反対に、まずはやってみて考えるスタンスでは、臨機応変に自分の現状にあったゴールを設定できる一方で、「いつか長期的で具体的なゴールを持つ」ことを意識しないと、ダラダラと今の延長線上での仕事や暮らしになり、そのうち「結局何がやりたいんだっけ」とか、「自分はこれでよいのだろうか」となるのです。
いずれにせよ、ある程度長期の目線を持って今を生きるということが大切なわけで、その手段や方法はどっちでも構わないのです。
同じく、新卒でコンサル会社かベンチャーか、の議論も同様で、ご自身が持っている、または持ちうる長期的な目線から考えると、最初にどんな仕事をするかは短期的な手段や方法であり、どちらが正解というものはありません。
ご自身が何を学びたいか、どんなことをしたいかによって、「どっちがよりふさわしいか」程度の話です。「どっちがよいか」ではないのです。