「トレカ市場」がまったく衰えない納得の理由

コレクション性の高まりから流通市場も活発だ。コレクター向けのトレカフリマアプリ「magi」を運営するジラフは、2022年9月の月間流通額は4億円にのぼる。同社の麻生輝明CEOは、「コロナ禍でトレカ収集の趣味が広がった。取引額も全体的に上昇傾向にある」と話す。

国内のカードゲームやトレーディングカード市場は「ポケモンカードゲーム」「遊戯王OCG」「デュエル・マスターズTCG」の3強が君臨する。

だが、ここにもう1つの強者が足を踏み入れた。ワンピースが2022年7月から「ワンピースカードゲーム」の販売を始めたのだ。一方、デュエル・マスターズはユーザー年齢層の広がりやコレクション性の高まりにも対応し、6年ぶりにシリーズを一新。9月からは漫画・アニメも開始した。

「厳しい競争環境の中で、各タイトルともユーザーをより喜ばせようと取り組んでおり、新たなカードデザインがでてきたという情報は毎日何かしら入ってくる。そこがカードゲームが盛んな原動力になっているのでないか」(原氏)タイトルごとの競争はより激しくなりそうだが、紙とデジタルのほか、さまざまなメディア展開で市場の拡大はなお続きそうだ。