これは諦めるということではなくて、他人の事情に立ち入らない(立ち入る必要がない)という線引きです。他人の都合は仕方がありません。そのせいで自分が足踏みするのはもったいない。自分に期待して別の方法を考えていきましょう。
いずれのパターンでも、「自分に期待」できることが大切な根底になっています。今よりも、少しだけ大きな私になる、なることができる。まずは、そう信じてみてください。
【習慣2】頼ることができない
→ 手放す:「申し訳ない気持ち」
→ 手に入れる:「ありがとうの気持ち」
自分ひとりでできることなんてしょせん知れている、と言葉ではわかっているけれど人を頼ることができずにオーバーワークで心が折れてしまう、という場合、主に2パターンが考えられます。1つめは「頼るのは申し訳ない」と思う場合、2つめは「自分が一番できるはずなので、頼るのは恥ずかしい、または「自分以外にはできないだろう」と思う場合です。今回は、心折れやすい人に多いと思われる1つめをピックアップして説明します。
申し訳なくて頼ることができない人が、自分だけが楽をしたいと思っているはずはないので、それを前提として読んでください。こう考えてみることはできますか?
例えば会社には、業績を上げる、仕事がうまく進むなどの目標があるわけです。それらの目標を叶えるためにメンバー(社員)がいるわけですから、うまくいく方法を考えて、みんなで協力しながら実行することは、申し訳ないことでしょうか? いきなり聞かされると屁理屈のように感じるかもしれませんが、ちょっと立ち止まって考えてみると、当然のことだと思えないでしょうか。
ただ、この理屈を自分だけが唱えていたとしたら、当然、相手には屁理屈に聞こえてしまいます。会社なら、できればリーダーからの共有があるといいでしょう。大切なこととして、これは自分自身が「どうせ無理だから」と思い込んでいるとできません。それは自分の勝手な思い込みだと思って、ちょっと勇気を出して試しに周りに伝えてみてください。そして、うまく頼ることができたなら、心から「ありがとう」の気持ちを伝えましょう。
【習慣3】必要以上の気分のアップダウン
→ 手放す:「過剰な共感」
→ 手に入れる:「他人の視点」
感情が豊かな人は魅力的です。SNSでも感情が表れた投稿には「いいね(共感)」が集まりやすいようです。ただ、必要以上の感情のアップダウンは事態の解決につながらないだけでなく、心が折れる原因になってしまいます。
思ってもいないのに「ウケる」「アガる」「悲しい」「泣ける」「腹が立つ」「ムカつく」「ウザい」「もうだめだ」なんて、つぶやいていませんか? 思ってもいないのに口に出す(もしくはSNSに投稿する)言葉は、繰り返すといずれあなた自身の感情になっていきます。心が折れがちな方で、もしそんな心当たりがあるのであれば、できる範囲で控えてみましょう。
【習慣1】でお伝えした「私は私」を思い出してみてください。心折れる出来事と、あなた自身は別物ですよね。たとえ失敗したとしても、その失敗があなたそのものではありません。失敗とあなたは別物。そう思うだけでなく、さらに他人事として失敗を見つめてみることで、解決策を見つけやすくなるという効果もあります。
具体的な方法は人それぞれですが、私は、私の頭の中にいる架空の「関西人のおばちゃん」に検証してもらうことにしています。「あらあら大変やったね。どこまでできてたん? すごいやん! 次はこうしたらできそうやね」みたいな感じです。失敗はフィードバックでしかありません。