「相手の心に響く」メールの書き方・送り方の基本

日常の連絡をメールで行うことが多い昨今。送るとき・返信するときのコツをお伝えします(写真:duiwoy/PIXTA)
4月から新社会人になった人、あるいは転職して職場を変えた人、そろそろ「何をどう頑張れば、評価されるのだろう」「周りが優秀に見えて、ツラくなってきた……」と、不安になってくる頃かもしれません。
でも、大丈夫! バリバリ活躍しているように見える先輩社員だって、新人の頃はあなたと同じように知らないことだらけで、失敗を繰り返して成長してきたのですから。
本稿では、ビジネススキルに関する研修やセミナーを実施する木部智之氏の新刊『入社1年目のビジネススキル大全』から一部を抜粋、若手社員が最速で一人前になれるビジネス思考法やコミュニケーションメソッドを、3回にわたってお伝えします。今回は3回目です(1回目はこちら、2回目はこちら)。

あなたもこれまでに、「読みにくいな」「わかりにくいな」というメールを受け取ったことがあるでしょう。メールは相手に内容を正しく理解してもらえないと、対応の優先度が下がってしまい、なかなか返事も戻ってきません。

仕事がデキる人は「いいメール」を書く

仕事がデキる人たちはみな、一様に「いいメール」を書きます。いいメールとは、とにかくわかりやすいこと。ポイントを整理しましょう。

メールは「宛先」(To、CC、BCC)と「タイトル」と「本文」で構成されています。この3つの要素のそれぞれに、いいメールとなるポイントがあります。

メールの宛先にはTo、CC、BCCがあります。CCはCarbon Copy、BCCはBlind Carbon Copyの略です。ToでもCCでも起こりがちなのが、宛先に設定する人が多すぎる、という問題です。

Toは本当にその内容に関係があって、何らかのアクションをお願いしたい人、CCは具体的なアクションはなくとも、情報を共有しておきたい人に送ります。しかし、「念のため」と思って不用意に多くの宛先を入れる人がいます。そこに2つの問題が生じます。

「念のため」の扱いでメールを受け取った人は、そのメールを読みます。本来必要でもないメールを読まされる、という時間のムダを強いることになっています。そして、CCメールについてはもっと注意が必要で、送ったほうはCCに入れたから読んでくれているだろうと思いがちですが、受け取ったほうは、かなり優先度を下げて読んでいます。CCだからいいや、と。ここに、お互いの温度差が生じてしまうのです。

宛先を入力するときは、「本当にこの人に読んでほしいのか」と自問しましょう。

なお、BCCはToやCCで送っている人に知られずにメールを送る設定方法です。不特定多数に一斉送信をするときなどは便利ですが、日常業務ではほとんど使わないでしょう。

内容が一目でわかるメールの書き方

メールのタイトルは、ひと目で内容がわかるタイトルにします。そのほうが、忙しい相手にも読んでもらいやすくなります。また、後からメールを探すときにも便利です。例えば、下記のようなケースで、左側のようなタイトルでは内容がよくわかりませんが、右のように変えると一気にわかりやすくなります。

  ×わかりにくい     ○わかりやすい
 ・打ち合わせの件 ⇒ ・A社提案の打ち合わせ依頼
 ・資料の送付   ⇒ ・マーケット調査資料の送付

また、以下のように件名の冒頭に【 】(スミ付き括弧)を使って、依頼事項を端的に表示するのも有効なテクニックです。
 
 【要返信】顧客問い合わせの対応要否について
 【至急】顧客機能の不具合の調査依頼
 【本文なし】17時の打ち合わせはキャンセルになりました
 
 このようなタイトルにしておくと、読み手は自分のとるべきアクションがわかりやすいので反応も速くなります。