「理不尽に怒る人」がこじらす“残念な感情”の正体

注意しておきたいのは、相手からの嫉妬にショックを受け傷ついたせいで、「私の態度がいけなかったのか?」と反省モードになったり、「そういう人であることを見抜けなかった私が悪い」と、なぜか自分を責めたりしてしまうことです。

とくに自己肯定感が低い状態だと思考がそちらに流れがちです。できるかぎり意識的に「私が悪いわけではない!」と、自分を守ってあげてください

相手の中にある嫉妬は、相手にしか解決できません。嫉妬されていることで、ただでさえ少なからずダメージを受けているのですから、あなたはまず自分の心を守ることを最優先にしましょう。

同じリングに立たない

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先ほども触れましたが、相手があなたに嫉妬するということは、本人の無価値感や劣等感、惨めさ、プライド、競争心が災いして、自ら一段ステージを降りて、あなたを見上げる気持ちになっているということです。階級が違うということはそういう意味です。

そこであなたが反撃のパンチを繰り出すことは、相手のそれらの感情をより強く刺激してしまうことになるのです。

するとどうなるでしょう?思った以上のダメージを受けた相手は、攻撃の手をもっと激しくして、さらに陰湿になっていきます。

リング上であなたに敵わないと思えば、相手は地下に潜ってあなたを狙うでしょう。パンチでは勝てないと思えば、ルール違反とわかっていてもキックを繰り出してくるかもしれません。そうしてどんどん泥沼化してしまうのです。

だから「同じリングに立たない」のがいちばん。それが「引く」ということであり「攻撃をかわす」ことであり、自分軸のあり方です。

「ああ、この人はそういうふうに思っているんだなあ」と、リングを降りて客席から客観的に相手を見つめるのです。そうすることであなたは、「戦わない」という選択肢を手にできるのです。