組織と個人の関係性の最小単位は、「上司と自分との関係」です。
上司にもいろんな人がいますから、仕事を丸投げする上司、無理な数字を押し付ける上司、人によって態度を変える上司、機嫌が態度に出てしまう上司……など、嫌な上司と出会ってしまったと嘆く人もいるでしょう。
そんな上司のもとで何年もつらい思いをしたり、ストレスを抱えるのは不幸なことです。とはいえ転職していい上司に巡りあえるかというと、それも絶対ではありません。ですから、少しでも働く環境を自分で変えていくために、ボスマネジメントを意識してみてはいかがでしょうか。
「マネジメント」といえば、一般的には上司が部下を管理することを指しますが、逆に上司とどのような関係性を作るかというのが「ボスマネジメント」。
上司との関係性をより良くするためのポイントを、ここでは働き方とキャリアを焦点に2点、紹介します。
1つは、自分のタイプを伝えること。上司とそりが合わないことは誰にでもあるかもしれませんが、なぜ、何が合わないのかをきちんと伝え合うことは意外とできていないのではないでしょうか。言いにくいかもしれませんが、まず伝えることがボスマネジメントの大事な一歩です。
たとえば、上司には部下に仕事を「任せるタイプ」と部下を「管理するタイプ」がいます。
もしあなたが、ある程度仕事のやり方を任せてくれる上司のほうがやりやすく、成果を出しやすいと感じているのに、上司が「管理するタイプ」だったら、上司ガチャが外れたと感じるかもしれません。でもそんなときは、思い切って上司にそれを伝えてみましょう。
上司がどう反応するかはわかりません。
意外と理解があって、「じゃあ、1カ月は君のやり方で自由にやってみて。その結果を見て、その後のマネジメントを考えよう」と言ってくれるかもしれません。そこでしっかり結果を残せれば、あなたの仕事環境は改善されます。
しかし、管理することが自分の仕事だと思っている上司は、「そんな勝手なことは許さない。きちんと私の方針に従ってもらうよ」と告げるかもしれません。その場合は、伝え方を変えて再度対話してみなければなりません。
こんなことでうまくいくなら上司ガチャになんて悩まない、という人もいるかもしれません。しかし、上司に話しても無駄だと決めつけたり、上司を飛び越えて誰かと話をつけようとするほど、関係は悪くなっていくものです。
もう1つは、キャリアについての自分意向を伝えること。
いまは1対1で上司と面談することも増えてきていますが、業務に関することが主で、キャリアについて話し合うことはあまりないようです。
自分が、3年後、5年後にどのようなキャリアを描いていたいのかをしっかり伝えて、それを上司に理解してもらえば、そのために必要なアドバイスが得られます。たとえば、いまは営業部所属でも、将来的にはマーケティングのプロになりたいと伝えておけば、上司から見ていまの自分に足りないものが何か、社内的にどのような成果が必要かを教えてもらえます。