ウィル・スミス問題「脱毛症」当事者はどう見たか

脱毛症は自己免疫疾患の一つであり、ストレスが発症原因のすべてではない。しかし、美穂さんのようにストレスがトリガーになって発症することもある。

土屋さんは、「美穂さんのように、急に発症するという状況は誰にでもありえます。今回の一件で海外の脱毛症団体と意見交換していますが、病気の認知がまだ低いと感じています。私たちなりにも発信は続けていきたいし、これを機会に多くの人が自分ごととして捉えるきっかけになってくれれば」と力強く話す。

ありのままの自分を受け入れるというのは、誰にとっても簡単なことではない。筆者自身、包み隠さない自分でいつも過ごせているのかと問われたら、答えに迷ってしまう。

だが、病気を抱えていたり姿や形に違いがあったりしても、あくまで目の前にある身体は器であり、それが人間の本質ではない。

誰もがかけている“色眼鏡”を外して、“透明な眼鏡”で心を覗き見できるようになったら、もっと生きやすくなるのかもしれない――隣にいる誰かのことをほんの少し慮る、そうなったらもっと互いを尊重し合える世の中になるのではないだろうか。

悩む自分を乗り越えて、メッセージを発する美穂さん(写真:本人提供)
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