以前、こんなことがありました。
ある人(Aさん)から、ある課題解決のための企画を出してほしいと頼まれたので、いくつか企画を考えて提案しました。でもどの企画も「ダメ」「難しい」「それはできない」という反応ばかり。否定ばかりでした。
もちろん企画そのものの良し悪しはあるので全部ダメでもしょうがないこともありますが、私がムッときたのは、その否定の理由です。提案した企画の重箱の隅ばかりを否定しながら企画全体をNGにしてくるわけです。
なんでも否定する人っていますよね。是々非々で内容を吟味して判断しているのではなく、どんなときもいつも否定ばかり。ある意味ブレてないのですが、相手からしたら迷惑です。
なぜこうも否定ばかりなのか? 理由は大きく分けるとこの3つではないでしょうか。
結局は、「自分はすごい」ということを自分にも、相手にも伝えたくて否定しているってことなんだと思います。でも残念ながら、否定ばかりの人はまわりから「すごい!」とは見てもらいにくく、むしろ逆の印象を強めていることがほとんどです。
否定は意識的にやっている人もいますが、無意識にしている人も多いようです。なので、すぐ否定してくる人があなたにとってある程度信頼できる人であれば、相手に「なんでも否定していますよ」と伝えてあげるのも一手です。
私も以前、否定ばかりする人がいたので、本人にそう伝えたところ、自分がそうしていることにまったく気づいていない様子で本人が驚いていたなんてことがありました。
無意識でやっている人は否定が思考のクセになってしまっているので、本人だけではなかなか直せないのかもしれません。ただ、実際は相手との信頼関係がないケースのほうが圧倒的に多いでしょう。そのときはどう否定する人に対応したらいいのでしょうか。
否定してくる人の特徴のひとつに「部分否定」があります。「目的・ゴールに向かうための否定」ではなく、「好みや思い込みをベースにした部分的な否定」です。そういうときは話を広いところにもっていきましょう。部分的な話を続けると、否定する人の思うつぼ。その部分で「ああでもないこうでもない」と話してもラチがあきません。一歩間違うと、感情の戦いになってしまうこともあります。一刻も早く、話題をずらすべきです。
私も意識していないと、ときどきドツボにはまることがあります。ゴールを達成するために打ち合わせをしているはずなのに、気づけば細かいことで白なのか、黒なのか、みたいな議論をしてしまう。これだと時間がもったいないですよね。
スムーズに話題をずらすコツは「ゴールの確認」をすること。否定してくる人との話は常にゴールを意識し、ゴールに向かっているか、いないかを確認しながら進めていくのです。
このときにおすすめしたいのが「ホワイトボードの活用」です。面と向かってだと「その話、打ち合わせの目的からズレてますよ」と言いにくいこともあると思います。ホワイトボードを使い、あなた自身が書記になり、ボードに大きく「今日のミーティングのゴール」をまず書きます。言語化されたゴールがミーティング中にいつも見える状態であることがポイントです。