今後の構想としては、台湾や韓国とも密に連携を取りたい。台湾には「日本でチームを持ちたい」というオーナーもいる。むしろ九州、韓国、台湾で12球団くらいできてしまうかもしれない。さらにIR事業(カジノ事業)との連携も考えられる。
もし大阪にカジノができるなら、いろんなスポーツベッティング(スポーツへの賭けごと)が行われるだろう。独立リーグは対応しやすいとも思う。
夢は無限に広がる――。
なぜ、僕がこんなにワクワクしているのか。その理由は簡単だ。
コロナ禍を経て、リモートワークやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展によって「人の仕事」はなくなっていく。なんとなく会社に来て、パソコンの前に向かって時間を過ごすような働き方はなくなり、大量に空き時間ができる。その時間をいかに埋めていくかが大きな課題となるだろう。独立リーグ球団の設立は、そのいい予行演習というか、シミュレーションになる。これからの社会で、「有意義な時間の使い方」としてスポーツの意義は高まる一方だ。この波に乗り遅れてはいけない。
また、これからは地方の時代だ。
2004年に「仙台ライブドアフェニックス」という球団名でNPBに参入しようとした時期には、巨人や阪神など大都市圏のセ・リーグのチームが人気だったが、その後、ソフトバンクが福岡でドーム球場、ホテル、プロ野球チームで大人気になったように、地方に本拠を置いたパ・リーグがセ・リーグに肩を並べるようになった。
以前は、「仙台なんかで球団を作ったって、客が入るわけねーだろ」とボロカスに言われたものだったが、さて今はどうだろう?「地方発」であることのデメリットなんて、なくなっていくはず。動くなら今だ。
資金集めのメドもついている。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」や、ブロックチェーンを利用した「FiNANCiE」でも資金集めに成功。キャピタルゲイン的な運用(保有資産を売却して利益を得ること)を考えている。
「AKB48」も最初は地下アイドルとしてスタートしたけれど、プロデューサーの秋元康さんの手腕もあり、国民的なアイドルに成長した。独立リーグがメジャーになる日も夢ではない。
そういえば、記者会見でこんな質問をもらった。
「『福岡北九州フェニックス』の誕生で、2004年の球界再編時にできなかった、球団所有という堀江さんの”悲願”がかなうことになりますが……」
「悲願」なんて悲壮感の漂う言葉は、今どき古すぎるだろう。
僕は自分の「悲願」など、どうでもいい。今の僕にあるのは「ローカルなプロスポーツ、エンターテインメントを作っていく」という使命感だ。それは”おせっかい”に近い。うまくいったらそれでいい。むしろ、それくらいライトな感覚で取り組むほうが結果を出せる気がする。
おせっかい感覚で、ワクワクしながら臨むほうが、柔軟な気持ちで取り組めると思うのだ。それが本当の「強いハート」ってやつじゃないか?