「やること」「やらなくていいこと」を書き出すことによって、「やること」の実体が"見える化"できるので、はじめの一歩が踏み出せます。
「やるべきこと」が整理されたら、それを「どれくらい時間をかけてやるのか」「いつやるのか」考えます。そしてそれを紙に書き出していきます。これだけで「ざっくりした時間割」の出来上がりです。本当は時間割は1週間単位でつくるのですが、慣れないうちは1週間分をつくるのはけっこうたいへんかもしれません。
そこでまずは明日(あるいは今日)どうやって時間をすごすのか、1日の計画を立てて紙に落とし込んでみるのです。就業時間が9時から17時までなら、その間の8時間だけでいいので、まずはやるべきことを書き出してみましょう。これが時間割の第一歩です。
下図くらいの簡単なものでかまいません。翌日は、「ざっくり時間割」にそった行動をしてみます。
当然、そのとおりにできないこともあります。私の場合はなぜできなかったのか、横に書き出して反省し、次の日に生かすようにしています。面倒くさければ、そこまでしなくてもかまいません。でも、ふり返りをすることは大事です。
家計簿でもただ出費を記録するだけでは何の意味もありません。最初に出費の見積もりを立てた上で、何にお金を使ったか、検証し、先月と比較するなど、ふり返りをするから、ムダづかいがなくなり、お金が貯まるのです。
「ざっくり時間割」をつくるだけでなく、実際に何ができて、何ができなかったか、ふり返りをして、自分の実情に合わせた微調整をしていくことが大事です。
面倒くさがりやの人や計画がうまく立てられない人でも、「ざっくり時間割」をつくっておくだけで、心の安定になります。
時間をまったく意識していなかったときより、ダラダラする時間が確実に減ってくるでしょう。
「ざっくり時間割」づくりの"落とし穴"でよくあるのは、優先順位を間違えて、重要なことをやる時間を取っていないことです。目の前のことしか見えなくなるとありがちですが、あまり重要ではないことに、時間をかけて取り組んでしまい、肝心の重要なことに取り組む時間が残っていないことが往々にしてあります。
そうした事態を防ぐために、列挙した「やるべきこと」を「緊急性」と「重要性」で分けていきます。その分類にそって、優先順位を決めていきましょう。
おすすめなのは座標軸を使ったマトリックスをつくることです。これはスティーブン・R・コヴィー氏が考案したタスク管理法です。横軸は「緊急度」、縦軸は「重要度」に定めて、それぞれの「やるべきこと」をマトリックスに入れていきます。
特に、集中力などを必要とする仕事の場合は、他の仕事に邪魔されず、しっかり集中して取り組める時間を確保してください。そして、最優先すべき仕事は期限までに必ずやり切ります。
こうすることで、期限に間に合わせようと徹夜をしたり、期限ぎりぎりになってやっつけでつくったものを提出したり、まったく着手できずに信用を失ったり、期日に間に合わなくなるリスクを防げるのです。
なお、優先順位について、補足しておくと、「重要かつ緊急なこと」を最優先でやるのはそのとおりですが、「重要かつ緊急」でなくても、2分以内で終わるような細かい仕事は即座にやってしまうことです。
例えば、メールに簡単な返事を書く、回覧に判子を押して回す、机上の整理など、重要ではないけれど、瞬時に片付くことはやってしまいます。そうすることで「重要かつ緊急なこと」にじっくり落ち着いて取り組めます。