「処分できない思い出の品」手放す最高の方法

なかなか手放せない思い出の品の数々……辛い気持ちにならずに、処分するにはどうしたらいいのか(写真:Fast&Slow/PIXTA)
コロナ禍で在宅時間も増え、家の中をすっきりさせたい!と片づけを始めた人も多いのでは。でも片付け始めると出てくるのが「処分したいけど、気持ち的に処分できないもの」。その解決法をミニマリスト7年目のおふみさんの著書『小さな暮らしは生きやすい』から一部抜粋・加筆してお届けします。

靴箱1つ分を「思い出ボックス」に

思い出のものって、手放しがたいですよね。いくら理屈で不要だとわかっていても、情が貼り付いているので手放せず、「頭ではわかっているけど行動を伴わせることができない」という状態になりがちです。

私は靴を買った時についてくる箱1つ分を「思い出ボックス」として、そこに収まる分だけの物量で思い出を残すことにしています。そこからあふれた分は写真に撮って思い出を残し、物としては手放すことにしています。

(イラスト:©おふみ)

ですが、思い出ボックスを用意して写真に撮影して、ということでは気持ちの整理がつかないものもあると思います。先日、お悩み相談で寄せられたのが、買い集めたレコードや、初めて買ったブランド品のお財布が手放せないという悩みでした。

共通するのが、購入するまでにも思い入れがあり、もう使っていなくても手放せないという点です。そこで提案したいのが「写真に撮ってノートに思い出を書き付ける」というもの。

例えばレコードならそのジャケットにも思い入れがあるはず。写真をプリントしてノートに貼り、手に入れるまでの苦労や買った時の思い出、その曲を流したときの気持ちなどを記していきます。「ノートを開けば思い出せる」となれば、手放す決断ができるものもあるのではないでしょうか。

実際に私も「推しのライブで終演後に配られた造花」という思い出深くて手放せなかったものがありましたが、この思い出ノートを活用することでふんぎりがつきました。

写真に撮ってメモ帳に記録し始めると…

普段は埃がたまるので基本的には生花のみを飾るようにしているのですが、推しが時間をかけて選んだであろう花びらの色やリボンを見ると、多少傷みが気になっていたものの手放せずにいました。

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しかし、ライブの思い出はものがなくても心の中に残っています。写真に撮ってメモ帳に記録し始めると、それまで意識していなかった思い出が次々と浮かび上がってきました。

数週間前からどんな服装で参戦するか悩んでいてその時間も楽しかったこと、道中聴いていた音楽、ライブのセットリストや推しの装い、ライティング、MC、造花を手にして帰った電車の帰り道のこと……これらを書き付けることで、ノートを開けばいつでも思い出せるものになり、思い出の解像度が上がったような気がします。こうして思い出ノートを活用し、造花を手放しました。

「思い出を大事にしたい」という人にこそぴったりのこのノート、片付けを前に進めるためのアイテムとして試してみてはいかがでしょうか。

(イラスト:©おふみ)