マウントを取るというのは「自分のほうが上なんだぞ!」というアピールをすることです。自分を大きく見せようと「国立有名大学の出身」や「一部上場企業に勤めている」と自分のステータスや実績などをアピールしてきます。
マウントを取る人はいったい何を考えていると思いますか。マウントを取る人というのは承認欲求が強い人です。承認欲求というのは「周りからすごいと思われたい、認められたい」という欲求です。そして、承認欲求が人一倍強いのに、その裏では自信がなくて不安でたまらない。自尊心を保てなかったり、努力して自分の価値を上げることができなかったりします。
一方、人間なら誰でも「自分には価値がある」と思いたいものです。だからマウントを取って「お前より俺のほうが勝っている」と思えれば自分のプライドが守られます。
こうやって他人の価値を落として相対的に自分のほうが優位に立とうとすることを「引き下げの心理」といいます。
マウントを取る人は周りの目を気にして小さなプライドを守ろうとしている気の毒な人ともいえます。だから、何か自慢されても「へーそうなんですねー」とだけ言ってスルーしておくのがいいです。
優しい人はつい相手のお願いを聞きすぎてしまい、自分のことが後回しになりがちです。もちろん相手を思って、他人優先に行動する姿勢はすばらしいものです。
でも、自分のことがおろそかになりすぎて苦しい思いをしていませんか? だったら、たまにはお願いを断ったっていいんです。
僕が今までお会いしてきたとても優しくてすばらしい人間性を持っているにもかかわらず、どこか苦しい思いをしている人には、ある誤解をしているという共通点がありました。
それは「相手を尊重する=自分が無理してでも相手の要求に応える」という誤解です。
たしかに人間関係の中では、相手が何をしてほしいかを聞き入れて、それに応えていくというのは大事なことです。ですが、何でもかんでも周りの要求に応えていたら、あなたはいくら時間があっても足りなくなります。
それにいつでも相手の要望に応えるというのは、相手からすると「いつでもこちらの都合に合わせて行動してくれる人」だと思われてしまいます。たとえ相手の中でそういった自覚はなかったとしても、無意識のうちにあなたを都合のいい人だと認識してしまうのです。
ここであなたに覚えておいてほしいのは、相手の欲求に100%応えなかったからといって、あなたが相手を尊重していないわけではないということです。
誰でも1日に使える労力や時間といったリソースは限られています。また、どこまでは許容できるか、どこからは我慢できないかなどのキャパシティーも人それぞれです。あくまでも、あなたはあなたができる範囲で相手の要望に応えればいいし、無理ならNoと言っていいのです。
あなたが負担に思うほど要望の多い人は、そもそも他人に対する期待があまりにも大きすぎます。「私のためにこれくらいのことはしてくれるよね?」と相手の都合を考えず、勝手に大きな期待をしてしまっています。