ある日、あなたのもとにクレームがメールで届きました。「たまたまではないか」と思いつつ、上司に報告したところ、すぐに謝罪のメールを出し、サービスに問題がないかを点検するようにと指示をされました。
通常業務に加えて、何が起こっているのか調査し、解決策を検討しなければなりません。しかし、その「問題」は本当に問題なのでしょうか。もしかしたら、たまたま発生しただけかもしれません。その場合、新たに加わった業務は余計な労力になってしまいます。
どうしたらこういった状況を避けられるでしょうか。
ここでは、「問題解決」に焦りすぎる人に欠けている視点を解説します。いずれも基本的なことばかりです。読んでしまえば、当たり前のことと感じる人も少なくないでしょう。ただ基本的なことは、得てして頭ではわかっているけど、ついサボってしまいがちです。そして、いざやってみるとすぐにはできなかったりします。
最初は少し面倒かもしれませんが、慣れるとすぐにできるようになるので、次の2つの視点を意識してみてください。
環境はつねに変化していますので、何かが起こる可能性はつねにあると考えておけることが重要です。何か平常時と違うことが起こるということを想定しておくことで、過剰に反応することを防ぐことができます。平常時の状況をしっかりと認識し、「いつも」と違ったことが起こらないか、その変化を敏感に捉えるよう心がけておきましょう。
しかし、何かが起こっているかもしれないということと、それが本当に起こっているかは分けて考える必要があります。大騒ぎをしてしまう原因はここにあります。
いつもと違う情報=予兆が確認できたら、次は、それは本当に起こっていることなのかをきちんと確認しましょう。最初の1人目の情報は、考えるきっかけを与えてくれるという意味ではとても重要ですが、本当に起こっていることか、たまたま起きたことなのかを見極めなければなりません。
往々にして、1つの事象がすべてであるかのように受け止めて、過剰な対応をとるということが発生します。とくにネガティブな声の場合はその傾向が強まります。予兆は予兆として大切にするものの、騒ぎすぎないよう注意しましょう。
それでは、次の例題に取り組んでみてください。