主食としてとる炭水化物(糖質)は、ごはん、パン、麺などいろいろありますが、肥満や高血糖の人が選ぶなら、ごはんに勝るものはありません。
その理由は、糖質の種類の違いにあります。ごはんは多糖類のため消化・吸収がゆっくりで、血糖値が上がりにくく、また下がるときもゆっくり下がるのが特徴です。
そして、ごはんにはビタミン、ミネラル、アミノ酸なども含まれていて、同じエネルギーのパンよりも満腹感が得られます。さらに、温かいごはんを冷やすと、米のデンプン質が消化しにくい「レジスタントスターチ」に変わるため、エネルギー制限にもつながります。
ごはんをとりすぎると血糖値は上昇しすぎますが、極端に量を減らすのは考えものです。主食を減らした分、肉を多くとってしまいがちになるためです。食後血糖値の急上昇を抑える食物繊維をとることも重要です。主食を単純に減らすよりも、栄養のバランスがとれた食事を「腹八分目」まで食べるのが、血糖値の改善のためには有効です。
では、具体的にはどのぐらいの量が適量なのでしょうか?
まず、自分に最適なエネルギー摂取量を算出します。
それをもとに、1日にとる糖質量の目安を計算します。糖質量は3大エネルギーの比率(PFCバランス)で求められます。
なお、糖質の摂取目安量は調味料などを含む全体量である点には注意が必要です。
1日にとる糖質量の目安がわかったら、自分に適した主食の量を設定し、きちんと計量して毎日、一定量とるようにします。
ふだん使っている茶碗によそってみて、その量を見て覚えておくと、適量を守りやすくなります。適当にごはん茶碗に盛っていると、気づかないうちについ食べすぎてしまいます。慣れるまでは計量をする、その後も、1カ月に1回くらいは計量して、目分量が正しいかどうかを確認するとよいでしょう。
血糖値をコントロールするカギとなるのが、ごはん、パンといった主食のとり方。糖質を抑えるポイントを知っておきましょう。その1つが「白より茶色」の法則。ごはんなら、白米よりも玄米や胚芽米といった色のついたものを選ぶというものです。
玄米や胚芽米といった精製度の低い米や雑穀を選ぶと、食物繊維が豊富で、かみごたえがあるので満足感がアップします。また、糖質を含む食品の中には、食後血糖値の上がり幅が大きいものと、小さいものがあります。食後血糖値の上がり幅は、GI(グリセミック・インデックス)という指標で示され、食後血糖値の上がり幅が大きいものは高GI食品、小さいものは低GI食品と呼ばれています。白米は高GI食品で、玄米や雑穀など、精製度の低い食品は低GI食品。白米より玄米のほうが、血糖値の上がり方がゆるやかです。