朝から脳をフル回転させる究極の「ルーティン」

いい朝を始めるために、まずは2つのカギを意識してみる(写真:rainmaker/PIXTA)
朝はまだ頭が寝ぼけているから、仕事のエンジンが本格的にかかるのはお昼頃から。そんなビジネスパーソンに朗報だ。朝の生活習慣を変えるだけで、一気に脳を活性化させる方法がある。Googleやナイキ、ハーバード大学を法人顧客に持ち、『LIMITLESS 超加速学習──人生を変える学び方の授業』の著者でもある脳トレーナー、ジム・クウィック氏が、脳を目覚めさせるために毎朝の日課としている「ルーチン」を紹介する。

脳を元気にしたければ水分をとる

なぜ朝のルーチンが大事なのだろう? 一連の簡単な行動で脳を目覚めさせ、1日をトップギアで始めることには計り知れないメリットがあると、僕は確信している。

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1日の早い時間に勝利のルーチンを作れたら、世界的指導者のトニー・ロビンズが言う「勢いの科学」の恩恵も受けられる。一度コマが回りだしたら、静止状態から始めるよりはるかに少ない労力で達成し続けられるという考え方だ。

僕自身、脳を活性化して最高の1日を過ごすための朝のルーチンを周到に築いている。毎日全部をやっているわけではない(家を離れているときはとくに)。でも大半はしているし、おかげで頭の働きもパフォーマンスも生産性も積極性も、起きた瞬間から万全に備えられるのを実感している。

たとえば、僕はこんな朝を過ごしている。

起き上がったら、最初にベッドを整える。これは一種の成功習慣で、その日最初の達成だ。難なくやり遂げられるし、寝る前の時間をより快適にできるというおまけのメリットもある。夜、整ったベッドに迎えてもらえるのは気分がいいものだ。軍隊では、朝一番にベッドを整えるよう訓練させられるという。そうやって、なんでも手を抜かずにやることを体に覚え込ませるわけだ。

その後、大きなグラスで水を1杯飲む。起きてすぐの水分補給はとても大事だ。人間の体は眠っているあいだ、呼吸という単純な行為を通じて多くの水分を失う。思い出してほしい、僕らの脳の約75%は水分であることを。だから、脳を元気にしたければたっぷり水分を取るほうがいい。

また、セロリジュースも1杯飲む。免疫系の働きを高め、肝臓から毒素を押し流し、副腎を修復するのに役立つ(これは医学霊能者のアンソニー・ウィリアムのアイデアを拝借した)。そのあと「第二の脳」への栄養として、プロバイオティクスをとる。

それから、利き手と逆の手で歯を磨く。これは、脳に難しいことをさせる訓練のつもりでしている。ふだんと違う脳の部位を刺激できるし、意識を今に引き戻してくれる。利き手でないほうでうまく磨こうとすると、ほかのことができないのだ。

毎朝3つ、自分の目標を書く

それから3分間の運動。本格的なトレーニングではなく、起き抜けに心拍数を上げるのが目的だ。睡眠や体重の管理に役立ち、脳に酸素も送れる。

それが終わると、冷水シャワーを浴びる。「冷水に打たれて1日を始める?」と少々引き気味の人もいるだろう。だが、こうした寒冷療法は神経系のリセットに効果があり、炎症も抑えてくれるので一石二鳥なのだ。

シャワーを出たら、全身に酸素を行きわたらせる呼吸のエクササイズ。それから20分瞑想し、1日を始める前に頭をクリアにする。

次にブレイン・ティーを淹れる。ツボクサ、イチョウ、ヤマブシタケ、MCTオイルなどがブレンドされたハーブティーだ。

そしてデスクに着き、その日最初に考えたことを日記に書く。僕はどんな日も、仕事で3つ、個人で3つの目標をやり遂げることにしているので、それもこのときに決める。

それから30分ほど読書する。1週間に最低1冊読むために、ここは朝のルーチンでもとりわけ守りたい部分だ。

とまあ、読んでのとおり、これをひととおりやるとけっこう時間がかかる。ただ言ったように、毎日全部できるわけではない。無理だと感じる人がいるのもわかるし、自分以外の朝の支度もあればなおさらだろう。けれど、あなたが脳力を高めたくてこの記事を読んでいるなら、多少の差はあれ、この種の朝のルーチンは欠かせないものになる。とくに大事な点を挙げよう。

・水分と酸素を体に行き渡らせる。
・1日の目標を立てる。

最低でもこれだけやれば、脳の回転を上げてハイオクレベルで働かせるのも不可能ではない。1日の始まりに、これらをできるだけたくさん組み込もう。大事なのは、生産的な朝のルーチンを築くこと。1日のいいスタートを切れるかどうかがその日全体の調子を左右することは、いくら強調しても強調し足りないくらいだ。