職場の人気者になる「簡単ルール」は、たった1つ

「ステイタス型」は、たとえば、地位や財産や容姿、持ち物といったもので測られ、「好感度型」は人から好かれる度合いということです。

幼少期は「好感度型」の人が人気を集め、性ホルモンの分泌が盛んになる思春期には「ステイタス型」へと移行するのだそうですが、確かにその頃から、容姿やお金への執着が強まるような気がしますよね。

プリンスタイン氏は、ソーシャルメディアの普及などにより、多くの大人までが、まるで高校生のように「上っ面のステイタスにこだわるようになってきているのではないか」と指摘しています。

しかし、「好感度型」の人気を集める人は、人生において、より多くの「つながり」を得て「成功」「幸福」を達成しやすい一方で、実は「ステイタス型」の人気は「虚栄」「攻撃性」「依存」「嫌悪」「絶望」「孤独」に結びつきやすいのだそうです。

つまり、「ステイタスで得られる人気」よりも、「好感度で得られる人気」のほうが「人を幸せにする」ということです。

容姿や財力などとは異なる、人気の決め手となる「Xファクター」とは、まさにこの、人を「磁石」のように引き寄せる「好感度」ということなのでしょう。

この「好感度」を爆上げする、とてつもなく「シンプルな方法」があります。それは、相手から「好かれよう」と無理な努力をするのではなく、自分から相手を「好きになる」ことです。

好意を示すことだけで相手は「味方と認識」してくれる

こんなふうに考えている人はいないでしょうか。

「自分は不細工だし、たいした才能もない、私なんかとは誰も話したくないに違いない
         ↓
「私なんかが好意を示しても嫌がられるに決まっている
         ↓
「なるべく、相手への関心や興味は見せないでおこう

こうして人を遠ざけてしまっている人は少なくありません。しかし、それは実はとてももったいない思考です。その理由は2つあります。

【理由1】自分が思うほど「まわりは嫌っていない」

1つめは、「人はあなたが思うほど、あなたのことを嫌っていない」のです。人は相手の好意を過小評価しがちで、英語ではこれを「liking gap」と呼びます。

「相手は自分に好意を持っているのに、自分としては、そこまで好意を持たれているとは思えない」と思う人も少なくありません。

でも、相手は自分が思い込むほど、自分のことを嫌っていないし、むしろ、自分が想像するより、もっと自分のことに「好感を持ってくれている」ということも実際には多いものなのです。

【理由2】自分を好きになってくれる人ほど「好きになりやすい」

もうひとつの理由は、「人は自分を好きになってくれる人ほど、好きになりやすい」ということです。

自分のことを嫌いな人と話すのは緊張するし、いい気分もしませんが、自分のことを好きでいてくれる人と一緒のときは話しやすいし、あまり緊張を感じないという経験はありますよね。

人は「自分のことを好きになってくれる人」に対しては、「愛着」や「親しみ」を感じやすいものです。人間は相手が自分の敵か味方かをつねに判断する傾向がありますが、「自分に好意を示してくれる相手」は味方だと認識して、好意を感じやすくなります。

つまり、「自分のことを好きになってくれる人」に対しては、本能的にいい印象を抱いてしまうものなのです。これを心理学的には「好意の返報性」(Reciprocal liking)と呼びます。

だから、あなたが相手に好意を抱き、接するだけで、相手は緊張をほどき、いい気分になるし、あなたに対して好感を持ちやすくなるというわけです。

「あなたのことなんか嫌い」「あなたのことなんかに関心ない」オーラを「あなたのことに関心がある」「あなたの話を聞いてみたいオーラに変えてみてください。きっと、あっという間に人気者になれるはずです。