こうしてスタートした編集者としての仕事もある「時代の変化」に備え、8年前に自ら「働き方改革」を行った。占いに携わる者として、自身がサンプリングにならなければ、という思いもあった。
昨年頃からメディアでもたびたび登場するようになった「風の時代」というキーワードをご存じだろうか。占星術界では、2020年12月に、約220年ぶりに星の配置が変わったことによって、時代の雰囲気や価値観なども大きく変わるとされている。過去には正社員、持ち家、学歴など「何かを所有する」ことに価値を置いていたが、今後は情報や知識、人とのつながりや信頼など「目に見えないもの」の価値が増す、という考え方だ。
青木さんは、実は8年ほど前から、これを意識して準備を始めていたという。
「風の時代は『組織から個』にシフトしていき、雇用形態は大きく変化するものの1つとされています。当時正社員だった私はこのシフトチェンジの準備として、会社と相談して業務委託契約に切り替えました。編集部の仕事に加え、フリーランスでも仕事をするためです。
ちょうどその頃、某ファッションブランドからデザインにかかわる仕事のお話もいただいており、それも『正社員ではない働き方』を選択するひとつのきっかけになりました」
今では、ラジオ番組への出演やトークショー、企業でのセミナーなど、まさに「個」を生かして多忙な日々を送る。
青木さん自身は、占い師としての活動はしていないが、企業や経営者からアドバイスを求められることもある。昨年1月にも広島でのトークイベントに出演し、占いから見る流れをもとに、これから時代がどのように変わるのかを話した。その内容はまさに2020年の混乱を予想していたかのような内容だったという。
「これは、私が“当てた”ということではありません。占いが教えてくれるのです。また昨年、経営者の方に『これからやってくる風の時代のキーワードは“軽やかさ”。なので、家賃など重荷になるような固定費を見直した方がいい』とアドバイスをしたのですが、結局コロナ禍で最も負担となったのはその部分でした。その方は占いのアドバイスに耳を傾け、準備をしたことで負担が大きく減ったとおっしゃっていました」
多くの人は突然、「風の時代が来た」と言われても困惑するだろうし、素直に受け入れるのは難しいかもしれない。だが、新型コロナウイルスが蔓延する前から「所有」から「共有」へ、「組織」から「個」へ時代が変わってきていたことはわかるだろう。そうであれば、「占い」が示唆するこれからの時代の在り方も、可能性や参考の1つとして触れてみるのは悪くない。
青木さんはまた、自分の本質、バイオリズムがわかるということは、ビジネスや人付き合いにも大きく役に立つ、と話す。
「例えば、誰しも『現場を回すのがうまい』とか『どんな人とも上手くやっていける』、あるいは『1つのことを突き詰めるのに向いている』など自分の本質とされることは得意なはずで、仕事などに活かしやすい。本質的に合う人、合わない人もわかりますし、納得できる人も多いと思います。こうしたことを知れば、仕事や人間関係がとてもスムーズになる。もちろんバイオリズムで『攻め時』『不調な時』もわかりますから、自身の“戦術”を考えることもできるわけです」
自分が得意なことや不得意なこと、あるいは向き不向きがわかり、”占い的”にいいタイミングを知ることができれば、自分のことをより信じられるようになり、これが自信につながっていく。その結果、自分が思っている、あるいはそれ以上の成果をあげられる、というのは心理的な要素も大きいのではないだろうか。