さらに、そのプロジェクトを進めることで、自分たちの企業が社会にどんなインパクトを与えられるかという視点が必要だ。小さなプロジェクトかもしれないが、その一歩が企業の成長を、日本の未来を変える可能性がある。それくらい大きな視野で説明する。
以上の3つのステップを踏まえながら説明することでプロジェクトの再現性、個人の成長性、そして社会的インパクトを組織に伝えることができる。
上司だって基本はただの人だから、ここまで説明されると自分の足元でとんでもないことが起きていることに気づく。彼の視点に立つと、今度はこのプロジェクトを否定したら自分が責められるんじゃないかと想像することもあるだろう。そこまで考えると、プロジェクトを進めているときからどうやって価値を伝えるか、シナリオを考えることだってできるかもしれない。
ただ忘れてはいけないのは、評価されるために仕事をするわけじゃない。次にいい仕事をする権利を手にするために、いい仕事をするんだ。
社会人になりたての頃、大手広告代理店でプランナー見習いになりながらも、組織と折り合いがつかず会社に干されて文句ばかり言っていた頃、当時交際していたIT系企業の女性からたしなめるように言われた言葉が今でも忘れられない。「仕事の報酬は仕事だよ」だってさ。
賞も大事だ。利益も大事だ。でも何よりも欲しいのはチャンスだった。この一言は、今でもぼくの胸の奥のすぐに取り出せる場所に置いてある。