苦労をしてでも自分が生涯追及したいと思える仕事であるか否か、究極的には仕事を選ぶ基準はこれに尽きるでしょう。つまり頭ではなく、ハート(心)で選ぶ、という事ですね。そうでない基準で選んだ職業は長くは続きません。
すべての職業において、何かしらの困難はつきまといますし、また現時点において書かれているように将来性に疑問符がついてしまうような職種や仕事があることも確かでしょう。
光さんは高校生のうちから将来の仕事について非常にまじめに考えておられ、なおかつ自分なりの基準でリサーチをされており大変素晴らしい事だと思います。
その中で「この分野であれば将来性があるであろう」という分野をご自身で見つけてきたわけですが、その分野とて永久に花形である保証はないのです。
あくまでも現在の常識に照らし合わせて「よさそうに思える」分野であり、将来性が確約されているわけでもなければ、その分野にいけば一生安泰、というわけでもないのです。
歴史を振り返ると、学生たちはその時代に考えうる最高峰の職種や職業に集まっていったわけですし、転職の現場でもそれが繰り返されています。そういった中で、皆がよいと思う職種は競争が激しかったり、最先端と思って飛び込んだ仕事が思ったほど拡大せずにまた転職活動を繰り返す。そういったことが繰り返されているのも事実なのです。
だからといって、現時点で最先端に思える分野や将来性がありそうだと思う仕事に飛び込むな、と言っているわけではありません。
私自身、いわゆるITバブル崩壊後で皆が避けるベンチャー企業に、逆に将来性がありそうだと信じて卒業後は一気に飛び込みましたし、リーマンショック後には企業再生の最先端に戦略コンサルとして飛び込んでいったものです。
もちろんその道は平坦ではなく、むしろ苦労の連続でしたし、20代は誰よりも苦労し、努力した、と言い切れる自信すらあります(詳細は拙著『非学歴エリート』などをご参照ください)。
もちろん私と同じ時期にベンチャーに飛び込んだ人や戦略コンサルをやっていた人はそれなりにいるでしょうが、継続している、またはそこから大きく成長をしているという人は一握りでしょう。
その違いは何か?
「よさそうだ」という頭で考えたイメージで飛び込んだか、自分の人生をかける対象としてパッションを持って飛び込んだか、の違いです。