私の場合、キャッシュレス化とポイントカード類のアプリ化によって、小さな財布がよりスリムになりました。以前は頻繁に利用する書店と家電量販店、近所のドラッグストアのポイントカードを持ち歩いていました。しかし、今はどれもアプリ化されたので、財布からはサヨウナラ。スマホの中でポイントが着実に増えています。
財布に残ったカードは、デビットカードとLINE Pay(ラインペイ)カード。あとは現金数千円だけ。普段の外出時は、これらに加えてスマホを持てば事足りてしまいます。もちろん、お金の使い方には個々人それぞれに事情があり、全員が小さい財布にカード1枚、ペイ1枚、少額の現金とはいかないかもしれません。
しかし、クレジットカードを複数枚、ポイントカードを5枚、何かあったら心配だから現金も数万円入れておくという財布は、時流に合っていないと言えるでしょう。
今、日本では政府主導でキャッシュレス化に向けて、さまざまなサービスが提供されています。経済産業省のデータによると、日本のキャッシュレス決済の利用率は他国と比べて低く、韓国の利用率90%、中国の60%に対し、日本は20%程度だとされています。
政府は、2020年までに利用率を40%まで引き上げようと、ポイント還元やキャッシュバックなどといったキャンペーンを後押し。50種類以上のキャッシュレス決済アプリが続々と登場し、私たちはいったいどれを使ったらいいのか、いろいろ比較してみないとわからない、という過渡期に入っています。
こうした状況で気をつけたいのは、「おトクみたいだから、使わないともったいない」と踊らされ、深く考えずにさまざまなアプリを試してみること。せっかく財布の中身も片付けて、カード類を減らしたのに、スマホの中に決済アプリが乱立するようでは意味がありません。
その先には、ポイント還元やキャッシュバックを受けることが楽しくなり、買う必要のないものまで買ってしまうなど、サービスを受けることが目的化するという落とし穴が待ち受けています。便利そうだから使うのではなく、自分に必要だから活用する。この視点を忘れずに、キャッシュレス時代を賢く乗り切ってほしいと思います。