2月2日、新型コロナウイルスによる肺炎の患者を専門的に受け入れる武漢市の「火神山医院」がおおむね完成。
翌3日から感染者を受け入れはじめた。建設が始まったのは1月25日。工期は10日間ほどと驚異的な短さだ。
火神山医院の建築面積は約3.4万平方メートルで、1000台のベッドを収容できる。感染拡大を防ぐため、雨水や汚水の処理システムや、病室から出る空気を消毒するシステムを備えている。
1400人の医療スタッフは人民解放軍のさまざまな専門チームから派遣される。このほかに政府の疾病予防控制センターや軍事科学院軍事医学研究院から15人の専門家が特別チームを組織し、現地で指導に当たる。
火神山医院に加えて「雷神山医院」も、武漢市内の別の地区で建設中だ。建築面積は約7.5万平方メートルで、最大1600台のベッドを収容できる。引き渡し予定日は2月5日だ。
この2つの病院のモデルとなったのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)が大流行するさなかの2003年4月に北京郊外で建設された「小湯山医院」だ。
わずか7日間で完成し、その後2カ月間で当時の中国国内の患者の7分の1を受け入れた。
2月に入ってからも新型コロナウイルスの感染者は、1日3000人近いペースで増え続けている。中国全体の半数近い感染者を抱える武漢市で、病魔の拡大を防ぐ取り組みが急ピッチで進む。