こんにちは。生きやすい人間関係を創る「メンタルアップマネージャ®」の大野萌子です。
誰しも穏やかに楽しい気持ちで、毎日を過ごしたいと願うものだと思います。それでも、ちょっとしたことでいら立ったり、不安になったり、自分の思いどおりにならないと腹の立つこともたくさんあるでしょう。
いっそのことそんな気持ちを感じないほうがいいのではないかと思い、自分の心にふたをして見ないようにすることで、その場をやり過ごそうとする方も多いと思います。
しかし、ふたをして押し込めたり、見て見ぬふりをした気持ちはなくなってしまうものではありません。少しずつ、澱のようにたまり、それが原因の「イライラ」や「不安」を引き起こしてしまうことも少なくないのです。ですから、ちょっとしたことで動揺してしまう心の変化に敏感なのは、決して悪いことではありません。どちらかというと、自分の気持ちの変化に鈍感な人ほど、心を病みやすくもあるのです。
カウンセリングをしていて感じるのは、自分の気持ちをコントロールできない人は、自分の本当の気持ちと向き合わないでいる人に多いということです。我慢しすぎたり、世間体を気にし、自分の気持ちを無視したり、ないがしろにしている人ほど、気づかないうちに澱は深く、濃くなっていきます。それを限界に達するまで対処をせずに放置することによって、どうにもならなくなっていることが多く見受けられます。
ではどうすればよいのでしょうか。
たまりにたまった澱を一気に吐き出せば、一瞬にして自分の周りはひどい状態になるでしょう。その凄惨な状況を見て、さらに自己嫌悪に陥るかもしれません。
リカバリーはあくまで「つねに」「少しずつ」が基本です。ですから、早めに気持ちの変化を感じ取り、早めにリカバリーすることが何よりも大切なのです。
リカバリー方法は、自分が心地よいと感じる環境をつくることです。仕事で緊張感が張り詰めていても、理不尽な対応を迫られることがあっても、ほっとできる瞬間や場所、楽しいと思える時間をつねに確保することが必要です。
環境要因は、物理的なものも含まれるとは思いますが、その多くは身近な人間関係です。ですから、心地よい環境をつくるということは、心地よい人間関係をつくることと同義なのです。
働く人が何に対して強い不安、悩み、ストレスを感じるか一覧にした厚労省のデータでは、つねに人間関係がダントツの首位ですし、実際の悩み相談内容の9割は、人間関係に関することであることからも明らかです。
ですから、不快や不満を感じる関係性を断ち切ることが望まれます。嫌いな人を無理に好きになる必要もありませんし、努力したところで基本、不可能です。以前からの付き合いだから断れない、何らかのメリットがあるかもしれないので嫌々付き合っているという関係性から、まずは、離れてみてください。
この基準で、付き合う人の優先順位を組み替えていきましょう。もちろん、仕事上など何らかのしがらみで、付き合いをやめることができない関係性も多く存在します。その場合は、コンタクトは必要最小限にとどめるようにしましょう。また、上記のいくつかが当てはまるとしても、損得を想定した関係性や会った後に精神的にどっと疲れたり後ろ向きな気持ちになるようではデメリットのほうが大きいので、距離を取ることをお勧めします。