東京ヤクルトスワローズ 髙津流マネジメント2024

高橋奎二へ監督が直々に伝えたこと
髙津流・次期エースへのマネジメント

「今はただ、じっと我慢して上位に食らいつくだけ」

――監督自身ももどかしさを感じることはありますか?

髙津 もちろんありますよ。彼が調子のいいときは誰も手がつけられないほどのピッチングを披露する。その一方では、先日のソフトバンク戦のように、調子がよくないときには、悪い意味で誰も手がつけられないほどの内容となってしまう。一生懸命さと不器用さ。そのバランスをどうやってとることができるのか? そこを僕らが上手にコントロールすることができれば、今のような極端な内容ではなく、調子の波が少なく、高いレベルのピッチングを常に見せることができるのではないか? その点は今もずっと腐心しているところです。

――そのためには投球フォームなどの技術面はもちろん、フィジカル面、メンタル面と多岐にわたってアドバイスを行っているということですね。

髙津 何かのきっかけでいい方向にカチッとハマることがあるんじゃないか? 繰り返しになるけど、どんな状況下にあっても、常に一定のピッチングができるようにすること。そのために、いろいろ話したり、本人の声を聞いたりしているけど、それがなかなかうまくいっていない。それが実際のところです。

――さて、ひとまず21日で前半戦も終了。オールスターブレイクを挟んで、26日からは後半戦が始まります。改めて、前半戦の総括をお願いします。

髙津 常に「一つでも上の順位を目指す」という心構えで戦っていくのは、これまでと変わりません。毎回、同じことの繰り返しになるけど、「ただただ我慢、ひたすら我慢」の繰り返しですね(苦笑)。

――ストレスの溜まる日々だと思います。監督自身のストレス解消はどうなさっているのですか?

髙津 確かにストレスは溜まっているのかもしれないけど、とにかくやることがたくさんあって、今日の試合が終わっても、すぐに明日の試合のこと、その先のことを考えていると、意外とストレスを感じないものですよ(笑)。しっかり反省して、しっかり予習する。まぁ、ユニフォームを着ている間は、誰だってストレスは溜まるものですよ。それでも、野球の勉強であったり、相手チームの研究だったりは絶対に怠っちゃいけない。その思いで、後半戦も戦っていきます。「応燕」、よろしくお願いします!

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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