――監督自身ももどかしさを感じることはありますか?
髙津 もちろんありますよ。彼が調子のいいときは誰も手がつけられないほどのピッチングを披露する。その一方では、先日のソフトバンク戦のように、調子がよくないときには、悪い意味で誰も手がつけられないほどの内容となってしまう。一生懸命さと不器用さ。そのバランスをどうやってとることができるのか? そこを僕らが上手にコントロールすることができれば、今のような極端な内容ではなく、調子の波が少なく、高いレベルのピッチングを常に見せることができるのではないか? その点は今もずっと腐心しているところです。
――そのためには投球フォームなどの技術面はもちろん、フィジカル面、メンタル面と多岐にわたってアドバイスを行っているということですね。
髙津 何かのきっかけでいい方向にカチッとハマることがあるんじゃないか? 繰り返しになるけど、どんな状況下にあっても、常に一定のピッチングができるようにすること。そのために、いろいろ話したり、本人の声を聞いたりしているけど、それがなかなかうまくいっていない。それが実際のところです。
――さて、ひとまず21日で前半戦も終了。オールスターブレイクを挟んで、26日からは後半戦が始まります。改めて、前半戦の総括をお願いします。
髙津 常に「一つでも上の順位を目指す」という心構えで戦っていくのは、これまでと変わりません。毎回、同じことの繰り返しになるけど、「ただただ我慢、ひたすら我慢」の繰り返しですね(苦笑)。
――ストレスの溜まる日々だと思います。監督自身のストレス解消はどうなさっているのですか?
髙津 確かにストレスは溜まっているのかもしれないけど、とにかくやることがたくさんあって、今日の試合が終わっても、すぐに明日の試合のこと、その先のことを考えていると、意外とストレスを感じないものですよ(笑)。しっかり反省して、しっかり予習する。まぁ、ユニフォームを着ている間は、誰だってストレスは溜まるものですよ。それでも、野球の勉強であったり、相手チームの研究だったりは絶対に怠っちゃいけない。その思いで、後半戦も戦っていきます。「応燕」、よろしくお願いします!
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