――前半戦を折り返し、村上選手も復調の兆しを見せ始めています。この点についてはどう見ていますか?
髙津 ムネはやっぱり、去年あれだけの成績を残したわけですから、本人としてもこのチーム状況であったり、自分の状態であったりに満足していないのは確かだとは思います。そのぐらいの責任は感じているでしょう。でも、どんなに不調で当たりが止まっていても、やっぱり彼が打席に立つと、僕も含め、チームメートみんなが彼に大きな期待を寄せているのは間違いないです。そして本人も、それを感じているのも間違いない。その期待に応えようと、休みの日も一生懸命にバットを振っていました。その姿勢があるうちは、そのうちいい答えが出るんじゃないかなと僕は思っていました。
――前半戦最後のジャイアンツ3連戦では、見事に3連勝を成し遂げました。この間の村上選手の様子とか、結果についてはどう評価されますか。
髙津 自分が打って勝つのがいちばんいい気分かもしれないですけど、本当にチームみんなで勝ちを取ったゲームだったので、ムネも嬉しかったんじゃないですかね。本人に聞いたわけじゃないけど、そのぐらい1本のヒットに、ホームランに、そして目の前の勝利に飢えている男ですから。そして、自分のバットの調子も上がってきた。チームも勝ったので、とても嬉しかったでしょうね。
――さて、ペナントレースも残り60試合を切りました。改めて、ここからの巻き返しに向けての意気込みをお願いします。
髙津 正直、「もう60試合しかないのか……」という感覚です。あっという間にここまできたなという感じはします。ただ、この60試合が勝負だと思っているので、うん、巻き返せると思っています。
――チームは上昇傾向を見せています。当面は4位のジャイアンツを目指していくのか、それともその先の先、1位タイガースを見据えていくのか、監督の考えを教えてください。
髙津 それは、やっぱり目の前は目の前ですよ。やっぱりジャイアンツを視野に入れて戦っていくことになるけど、でも僕はその先を見ていますけどね。じゃないと自分が面白くないので。初めから「3位に入ればいいや」って思ってしまうと、野球が楽しくないじゃないですか。やっぱり勝ちたいじゃないですか、優勝したいじゃないですか。だから僕はいちばん上を目指して、首位とのゲーム差を意識しながら、戦っていきます。絶対に巻き返せますよ。ぜひ、これからも応燕よろしくお願いします!
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