――昨シーズンオフ、「ようやく我々が期待するような四番打者に成長した」と監督は語っていました。WBCでも四番を務めた村上選手についてはどう感じましたか?
髙津 プロ入りしてから今まで本当にいろいろなことがありながら、彼は大きく成長して、侍ジャパンの四番を任されるまでになりました。今大会では、大きな重圧もあったと思うし、他球団の四番選手が自分の周りを打つ中で、彼が四番を任されました。もしかしたら、大谷選手を間近で見たことで、自分との差を感じたかもしれない。今までは本当に順調に成長してきたけど、ひょっとしたらこのWBCでは、それまでに味わったことのないものを感じたのかもしれません。
――村上選手にとっても、さらなる飛躍のための期間だということですね。
髙津 そうです。初めて感じることをいろいろ経験できているということは、確実にさらなる成長へと繋がると思うし、「村上個人としても、ひと回り大きくなって帰ってくるんだろうな」と思っています。そうでなければ、精神的にも肉体的にも、これだけしんどい思いをしてアメリカまで行った価値がないと思います。でも、ムネのことだから、自分がさらに成長するための大きなものを得て帰国したと思います。ムネだけでなく奎二と哲人も、ベテラン中村も大きく成長したと思います。
――WBCには、ヤクルトからは4選手が出場しました。この主力4選手は、大会に備えて例年とは異なる調整を余儀なくされました。心身ともに疲労度もあると思います。いよいよ、来週31日からペナントレースが開幕しますが、この点についての不安は?
髙津 正直、まだわからないですね。もちろん、それなりの想定はしていますけど、「そのイメージ通りにはいかないんだろうな」と思っています。22日にWBCが終わって、31日に開幕だから、当然、時差ボケからの調整となるし、例年とは違うコンディションでしょうけど、それについては「しょうがないものだ」と思っています。日本のために精一杯戦って、いろいろな経験を積んで、多くのものを手にしたわけですから。でも、彼らは多少の無理をしてでも、「出ます、大丈夫です」って言うでしょうけどね(笑)。心配なのは(高橋)奎二ですね。
――野手ももちろんですけど、投手はさらにデリケートですからね。
髙津 開幕までに投げる球数であったり、大会球と日本のボールとの感覚の違いであったり、調整すべき点はたくさんあるし、彼はすごくセンシティブな選手なので、その辺りの微調整も大切になってきます。その点については、細心のケアをしたいと思っています。