(インタビュアー:長谷川晶一)
――前回に引き続き、今回もオリックス・バファローズとの日本シリーズについて伺います。第2戦では内山壮真選手の代打同点スリーランホームランもありました。このシリーズにおいて、監督の中でインパクトがあった場面、印象に残っている場面はありますか?
髙津 うーん、どうですかね? 強いて挙げるとすれば、(山田)哲人の内野安打かな? もちろん、壮真のスリーランも当然、嬉しかったですけど、ちょっとホッとした部分が大きかったのは、哲人に1本出た、あの内野安打が印象に残っていますね。
――1勝1分で迎えた第3戦。ヒットの出ていない山田哲人選手を一番打者として起用。3回表の第2打席で、決していい当たりではなかったけれど、ここで山田選手はシリーズ初安打となるセカンドへの内野安打を放ちました。それが、この日の先制、決勝3ランホームランにもつながりました。この場面が印象に残っている理由を教えてください。
髙津 彼の心情を考えると、やっぱり苦しかったと思います。なかなか打てないことの責任を感じていたと思うので、決して当たりはよくなかったですけど、ああやって出塁した。それまでフォアボールは何個も取っているんですけど、内容は悪くても打って出塁したということは非常に大きかったのかなと思います。彼自身にとっても、ヒットが1本出た。「H」のランプがついたということ。それは、僕も彼と同じかどうかはわからないですけど、哲人の心中を考えるとホッとしましたね。
――マクガフ投手を、第5戦目、第6戦目と続けて起用しました。これも、これまで言ってきた「彼への信頼は揺らがない」ということの1つの証だったと思うのですが、このシリーズにおけるマクガフ投手についてはどう振り返りますか?
髙津 点数をつけるとすると満点ではないことは確かですね。うまくいかなかったことの方が多かったと思います。今までできていたことができなかったりその逆の事が起きたりするのがするのが日本シリーズだと思うので、そこが今まで通りにいかなかった部分だと思います。ただ、我々の形としては、8回に清水(昇)が投げて、9回にスコット(・マクガフ)が投げるという形を1年間やってきたので、「それを引き続き日本シリーズでも」と思ってやった結果が、うまくいかなかったというところでした。