(インタビュアー:長谷川晶一)
――オリックス・バファローズとの日本シリーズが終了しておよそ2週間が経過しました。対戦成績は2勝4敗1分でした。改めて、現在のお気持ちはいかがでしょうか?
髙津 めちゃめちゃ悔しいですよ。それはシリーズ終了直後からずっと変わらないですね。両チームともリーグチャンピオンのチームなので、そう簡単には勝たせてくれない。そう簡単には勝たせたくないという思いで戦いました。相手投手陣がいいというのは、去年からわかっていることでしたけど、やっぱりなかなか点が取れませんでした。山本由伸くんという絶対的なエースもいる中で、どうやって勝っていこうか、どうやって戦っていこうかって、いろいろなことは想定イメージして挑んでいきましたけど、やっぱり難しかったです。
――昨年と同じ相手との対戦となりましたが、昨年の事前想定では、「相手ピッチャーがいいから、ロースコアのゲームで最小失点でなんとか競り勝つこと」と話していました。それは今年もそうだったのですか?
髙津 気持ち的には大きくは変わらなかったですね。僕は、「ピッチャー頑張れ」という表現を使いましたけれども、まさにその言葉通りで、投手陣に対しては、「そんなにたくさん援護してもらえると思うな」とか、「打ち勝つんじゃなくて、投げ勝つぐらいの気持ちでいかないとダメだ」という話は、シリーズ前にしました。
――昨年と今年のオリックスと、中継ぎ陣がガラッと顔ぶれが変わった印象がありますが、この点はいかがですか?
髙津 これは、中嶋聡監督はもちろんですけれども、その他ピッチングコーチや、編成とか、スカウティングとかも含めて、「本当にすばらしいな」と思いました。これだけのメンバーをそろえられるのは、12球団見渡してもなかなかありません。現場を預かる僕が言うのもおかしいですけれども、選手の獲得の仕方というのか、スカウティングの仕方というのか、ちょっと表現は難しいですけれども、そこはこれから他の球団も参考になる部分も多いのかなと思いましたね。
――シーズン中は先発をしていたワゲスパック投手とか、山﨑颯一郎投手とか、先発を任されていた投手が中継ぎに転向し、最新版の「勝利の方程式」が確立したのは、ペナントの終盤にさしかかってからでしたね。
髙津 こうしたことが可能になるのは、やっぱり先発がしっかりしているからですよね。極端な言い方をすれば、「先発が余ってしまっているのだったら、1イニングを全力で投げなさい」と、本来の先発ピッチャーを後ろに回す。それも、技巧派ではなくて、パワーピッチャーがリリーフに回っていく。短いイニングを全力でいかれると、なかなか1イニング、スリーアウトの間に得点するっていうのはすごく難しくなります。