――後半戦が始まる直前の球団公式YouTubeでは、全選手を前にして監督によるミーティング場面が配信されました。その中で「我々らしく、スワローズの野球をやろうじゃないか」という趣旨の発言をされています。まずは「スワローズの野球」とは、どんな野球だと、監督自身はお考えでしょうか?
高津 これを言うと、勝負師としてはどうかとは自分でも思うんですが、やっぱり、「明るい雰囲気で、現場が楽しい野球」というのが、「スワローズの野球」だと思います。その雰囲気があるから、前向きで、積極的で、ヤル気が出てくる。それは昔からの伝統だし、そこは崩したくないと思っています。
――それは、高津監督がプロ入りする以前からそうだったし、監督が師事する野村克也監督時代もそうでしたよね。
高津 野村監督はすごく厳しい監督でした。でも、その明るい雰囲気と、ノビノビとプレーすることだけは許してくれました。だからこそ、それはヤクルトの伝統だと思います。しんどいときもあるし、なかなか元気が出ないときもあるかもしれないけど、常に明るい雰囲気で前向きに楽しく野球をやる。そこが、僕たちらしさ、スワローズらしさだと思います。
――あと、この全体ミーティングでは「今はチャンスだ。こんなチャンスはなかなかあるものじゃない。でも、チャンスに気づかない人もいる」と発言されています。今このタイミングで、「チャンス」ということを力説した意図は何でしょうか?
高津 今はまさにチャンスだと思います。チャンスというのは決して平等ではなくて、人によっては大きかったり、小さかったり、頻繁にチャンスが訪れる人もいれば、なかなかチャンスに恵まれない人もいる。でも、チャンスというのは誰にでも必ず訪れるものだと、僕は思っています。ただ、それに気づかずに、後になって「あぁ、あのときはチャンスだったんだ」と気づく人もとても多い。でも、チャンスをつかめるのは、チャンスを意識している人なんだと思います。