2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント

後半戦のキーマンは奥川恭伸投手
チャンスを掴めるのは、チャンスを意識できる人

チャンスをつかめるのはチャンスを意識している人

――後半戦が始まる直前の球団公式YouTubeでは、全選手を前にして監督によるミーティング場面が配信されました。その中で「我々らしく、スワローズの野球をやろうじゃないか」という趣旨の発言をされています。まずは「スワローズの野球」とは、どんな野球だと、監督自身はお考えでしょうか?

高津 これを言うと、勝負師としてはどうかとは自分でも思うんですが、やっぱり、「明るい雰囲気で、現場が楽しい野球」というのが、「スワローズの野球」だと思います。その雰囲気があるから、前向きで、積極的で、ヤル気が出てくる。それは昔からの伝統だし、そこは崩したくないと思っています。

――それは、高津監督がプロ入りする以前からそうだったし、監督が師事する野村克也監督時代もそうでしたよね。

高津 野村監督はすごく厳しい監督でした。でも、その明るい雰囲気と、ノビノビとプレーすることだけは許してくれました。だからこそ、それはヤクルトの伝統だと思います。しんどいときもあるし、なかなか元気が出ないときもあるかもしれないけど、常に明るい雰囲気で前向きに楽しく野球をやる。そこが、僕たちらしさ、スワローズらしさだと思います。

――あと、この全体ミーティングでは「今はチャンスだ。こんなチャンスはなかなかあるものじゃない。でも、チャンスに気づかない人もいる」と発言されています。今このタイミングで、「チャンス」ということを力説した意図は何でしょうか?

高津 今はまさにチャンスだと思います。チャンスというのは決して平等ではなくて、人によっては大きかったり、小さかったり、頻繁にチャンスが訪れる人もいれば、なかなかチャンスに恵まれない人もいる。でも、チャンスというのは誰にでも必ず訪れるものだと、僕は思っています。ただ、それに気づかずに、後になって「あぁ、あのときはチャンスだったんだ」と気づく人もとても多い。でも、チャンスをつかめるのは、チャンスを意識している人なんだと思います。

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プロフィール

髙津臣吾
髙津臣吾

1968年広島県生まれ。東京ヤクルトスワローズ監督。広島工業高校卒業後、亜細亜大学に進学。90年ドラフト3位でスワローズに入団。93年ストッパーに転向し、20セーブを挙げチームの日本一に貢献。その後、4度の最優秀救援投手に輝く。2004年シカゴ・ホワイトソックスへ移籍、クローザーを務める。開幕から24試合連続無失点を続け、「ミスターゼロ」のニックネームでファンを熱狂させた。日本プロ野球、メジャーリーグ、韓国プロ野球、台湾プロ野球を経験した初の日本人選手。14年スワローズ一軍投手コーチに就任。15年セ・リーグ優勝。17年に2軍監督に就任、2020年より現職。

著書

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

明るく楽しく、強いチームをつくるために僕が考えてきたこと

髙津臣吾 /
2021年、20年ぶりの日本一へとチームを導いた東京ヤクルトスワローズ髙津臣吾監...
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