2020シーズン、未曽有の事態に見舞われる中で、リーグ最下位という悔しい結果に沈んだ東京ヤクルトスワローズ。今季は心機一転、投手陣の補強を最優先に掲げ、再起を誓う。
昨シーズンを踏まえ、「今年はさらに厳しくいく」と宣言する2年目の高津監督は、新戦力が加わった新たなスワローズをどのように変革し、リーグ制覇を目指していくのか。
本連載では、今年もインタビュアーに長谷川晶一氏を迎え、高津監督の組織論から、マネジメント術、若手育成術まで余すところなくお届けしていく。
(インタビュアー:長谷川晶一)
――さて、今回はペナントレースについて伺うのではなく、山田哲人、村上宗隆、スコット・マクガフ選手が出場した東京オリンピックについて伺いたいと思います。球団公式YouTubeでは監督から3選手にシャンパンをプレゼントする動画が配信されています。あれは監督自身の発案なんですか?
高津 今回、ヤクルトからは3選手がオリンピックに出るということで、当初から「いい成績を残したら、何かお祝いしないといけないな」とは思っていました。侍ジャパンが8月4日に決勝進出を決めて、次の日の5日にアメリカ代表が韓国を破って決勝進出を決めた。そのときかな、「これで日本もアメリカも、金メダルか銀メダルが確定した。3人とも、メダルを獲得したな」って思って、「じゃあ、何かプレゼントしよう」と考えました。
――そこで、銀メダルにはドンペリ、金メダルにはモエ・エ・シャンドン、しかもマグナムボトルのプレゼントを決めたわけですね。
高津 そうですね。「何をプレゼントしようかな?」って考えたときに「そうだ、シャンパンがいいか」ってひらめきました。僕が普段利用している酒屋さんに両方とも売っているのは知っていたので、すぐに買いに行きました。
――えっ、監督自ら酒屋さんまで出向いたんですか?
高津 僕が本当に買いに行きました。もちろん、お金もちゃんと払いましたよ(笑)。決勝戦が行われた7日は、翌日のZOZOマリンスタジアムの試合に備えて千葉のホテル泊だったんで、車の中に積み込んで、そのまま千葉に行ってホテルでテレビ観戦していました。
――じゃあ、3選手にシャンパンが贈呈された球団YouTubeチャンネルはZOZOマリンスタジアムでの出来事だったんですね。
高津 7日が決勝戦で、8~9日がZOZOマリンでロッテとのエキシビションマッチで、10日の練習試合前に哲人、ムネ、スコットが合流したのかな? そのタイミングでマリンスタジアムの選手用サロンで手渡しましたね。で、金メダルだから哲人とムネにシャンドン、スコットにドンペリを振り分けました。
――指揮官として、選手たちのモチベーションアップだとか、周りのテンションを上げたいとか、そういう意図もあったんですか?
高津 いえいえ、本当に素直に「おめでとう」という思いからですよ(笑)。