――そして、もう一人のMVPは?
高津 やっぱり、哲人ですね。
――今季からキャプテンに就任した山田哲人選手ですか! その理由は?
高津 ひと言で言えば、今年の哲人は精神的にも肉体的にも我慢している部分が、すごく多いんです。それはやっぱり、キャプテンになったからだと思うんですね。「チームのために何ができるのか?」「自分は何をしなければいけないのか?」、そんなことを強く意識しているのがわかります。それはこれまでの哲人には見られないスタイルでした。
――山田選手が自らキャプテンに立候補したことに驚きました。監督からご覧になって、「キャプテン山田哲人」は、例年までとは違いますか?
高津 正直、僕自身も一応、「キャプテン」という立場にはなったけど、山田は山田らしく、今まで通りにやっていくものだと思っていました。でも、僕の予想とは全然違って、完全に「キャプテン山田哲人」でした。
――先ほどの「我慢」とは、具体的にどんなことですか?
高津 さっき言った「我慢」というのは、個人的なことで言えば少々の痛みについて、歯を食いしばって頑張っているのがすごく伝わってきます。チームのことで言えば、周りのことに目配せをしながら、「チームのために」という思いで声がけをしたり、率先して動いたりしている点ですかね。
――さて、いよいよ後半戦が始まります。監督が注目、あるいは期待しているキーマンは誰でしょうか?
高津 ……うーん、個人名を挙げるのは難しいですね。強いて言えば「先発ピッチャー全員」となりますかね。コロナ感染した小川(泰弘)も幸いにして大事には至らなかった。とは言え、まだまだ先発投手陣は手薄だから、ファームにいる選手も含めて、誰が出てくるのか? その辺りは監督としても大いに期待しています。
――では、改めて後半戦への意気込みをお願いいたします。
高津 前半戦は3位で折り返しました。でも、いいことも、悪いことも、このまますんなりいくとは思っていません。まだまだひと波乱、ふた波乱あると思っています。とにかく、上位2チームはもちろん、他の3チームにも食らいついていきたいです。僕たちはまだまだ挑み続けなければいけない。誰もが「何とかしよう」「このままではいけない」という思いを持っています。とにかく、僕も含めて、全員が熱い思いでベンチに控えている。そんな戦いをします。応燕、よろしくお願いいたします!