こんにちは、感情コミュニケーション術専門家の沖本るり子です。今回は、“やる気”を維持したいのであれば「自己中」になろうというお話です。ただし、自己中といっても、ここでは言動や行動ではなく、自分の中だけの心理的な自己中のことを指します。心理的な自己中ならば、自分の中だけで完結することなので、他人に迷惑をかけることはありません。かつ、これが自分の“やる気”を出すことに繋がるのです。
さらに一歩進んで、「心理的自己中」になるために「自己暗示」をかけられるようになると、常に前向きな気持ちを維持して“やる気”を継続することができます。では、その理由とコツをご紹介しましょう。
あなたは、「自己中」という言葉から何を連想しますか? 例えば、「自己中な人」と言うとわがままで自分勝手な振る舞いをする人を指すように、「自己中」という言葉は、あまりいい意味で使われることがありません。そして多くの場合、「自己中心的」な言動は人間関係においてさまざまな摩擦を生み、自分の評価を悪化させてしまいます。その結果、自分の“やる気”を出しにくい状況をつくることにもなりかねません。
ところが、実際の言動ではなく「心理的自己中」な考え方は、ときには“やる気”を出すための大きな武器になるのです。なぜなら、自分を中心にした物事の捉え方は、単なるわがままな考え方ではなく、自分自身を信じるための第一歩となるからです。
例えば、目先の仕事に取り組もうとするときに、とくに根拠がなくても「自分になら必ずできる」と思い込み、何らかの結果を出そうものなら「自分だからこそできた!」と自分を大げさに讃えて下さい。また、自分が所属しているグループが何か成し遂げたならば、「達成したのは自分のおかげだ!」と、自分だけの成果のように評価するなど、極端に言えば「自分の力が世の中を回している」と言わんばかりに心の中で叫ぶのです。
仮に、第三者から同じことを言われたら、どう感じるでしょう。お世辞や社交辞令と捉えて、「本当にそう思っているのか」と半信半疑になるかもしれません。ところが、「心理的自己中」になったときの自分自身の言葉は、自分の「行動」や「感情」に大きな影響を与えます。そうして、この考え方が“やる気”に繋がっていくのです。