さて、この仕事の「目的」ですが、実際には、いつも明確にしておけるとは限りません。職場では、いつも目先の仕事に追われて、時にはやりたくない仕事をしなければならないこともあるでしょう。そうして仕事に対する「目的意識」を持たずに、ただこなすだけになってしまうと、次第に自分にとっての本来の「目的」を忘れてしまうことがあります。
しかし、皆さんは、何かしらの「目的」を持って会社に入ったはずです。その「目的」を果たすために、自ら会社を選んで入社試験を受けて、希望を持って入社したのではないでしょうか。
仮に、仕事の本来の「目的」が分からなくなっていても、ただ、一時的に忘れているだけということもあります。ですから、そんなときは初心に立ち返るなどして、自分が「なぜ」「何のために」その会社に入ったのか、その「目的」を再確認してみて下さい。そうして、目先の仕事がその「目的」を達成するためのものだと認識できれば、“やる気”が蘇ってくることがあるのです。
また、日々の仕事では、そもそもの「目的」が分からない仕事をしなければならない場面があるかもしれません。「目的」が分からないまま仕事に取り組むのは、やはり苦痛なものです。「これは、一体何のためにやるのだろう?」などと疑問に思いながら行動している時間ほど、虚しいものはないのではないでしょうか。
私にも、学生時代のアルバイトでそういった経験があります。その仕事は、とある工場のラインに入って、決まったものを決まった場所に設置するという単純作業でしたが、その作業の「目的」を意識することもなく、現場の方から指示されるままに淡々と行っていたため、正直、とても苦痛でした。もし、その作業にどんな「目的」があるか深く知ったうえで、製造した商品が消費者の手に渡った時をイメージすることができれば、もっとやりがいを感じなから取り組めたはずだと、後になって思います。
このように、「目的」が自分自身の中に見出せない仕事でも、その仕事によってもたらされる結果をイメージできれば、新たな「目的」ができることがあります。すると、自ずと“やる気”が湧いてくることもあるのです。たとえば、上司から作業を指示されたけれども「目的」が分からなければ、指示をした上司に確認すればよいのです。
どんな仕事にも、必ず「目的」があります。その「目的」を意識して取り組むことで、意味がないと思えていた仕事が、意味を持つようになるのです。
次回に続く