このように、ビジネスシーンにおいて目先の「やりたくない仕事」をやめてみると、自分の“やる気”を引き出せることがあります。しかし、職場では1人で仕事をしている訳ではありません。仕事全体のスケジュールの都合や一緒に仕事をしている人の手前、そうはいかない場合もあるでしょう。
そうした時には、自分の中でその仕事の「捉え方」を変えてみましょう。仕事にはさまざまな側面がありますが、“やる気”が出ないときは視野が狭くなりがちです。見えていない仕事の側面に目を向けると、また違った感覚でその仕事に取り組めることがあります。つまり、自分自身の「捉え方」を変えて、「やりたくない仕事」を「やりたい仕事」に変えるのです。
まず、仕事にもやり遂げることで得られる「感情」が必ずあるものです。それを、想像してみて下さい。例えば、どんなに地味な仕事でも、達成すれば少なからず「達成感」や「満足感」が得られるはずです。また、仕事上で負けたくない相手がいるのであれば、その相手よりも優れた仕事をすれば「優越感」に浸れるかもしれません。さらに、上司や先輩に「褒められたいという欲求」を満たせる場合もあるでしょう。
そして、それらの中で、自分がどの「感情」を得たいかを考えて仕事をするのです。もちろん、1つの「感情」でなくても構いません。この「どんな気持ちになりたいのか」は、これまでの経験や各個人の性格によっても左右されるため、人それぞれに違います。ですから、自分自身をよく知っておくことが必要になります。要するに「この仕事は、自分がこういう気持ちを得るためにやっているんだ」という目的思考に切り替えるのです。
すると、その仕事は単なる「やりたくない仕事」ではなくなります。やりたくなかったはずの作業にも“やる気”が湧いてきて、前向きな気持ちで取り組むことができるようになるのです。さらに、結果的に自分が求めていた「感情」が得られると、次の“やる気”にも繋がっていくのです。
「やりたくない仕事」をやめることができない場合でも、このように自分の中で仕事の「捉え方」を変えることはできるはずです。さらに、必要に応じてこうした気持ちの切り替えができると、どんなことにも「やる意味」を見出せるようになります。「やめる勇気」と「捉え方を変える力」は、“やる気”が出ない状態に陥った時に、立ち止まらずに切り抜けるための大きな武器になるのです。
次回に続く