みなさんが、家電量販店にテレビやパソコンなどの高価格帯の家電を買いに行った時や、自動車ディーラーに車を買いに行った時のことを思い浮かべてみてください。購入を決めてから、店員や営業マンにすすめられて、思わず付属品や保守契約などを購入、契約してしまったという経験は、だれもがお持ちではないでしょうか。
そうなんです、これは個人向けの営業の話になりますが、お客さまは大きな買い物をした時ほど、実は財布の紐がゆるむものなのです。そこを理解して営業活動することで、プラスの成績が出せる可能性があることを、ぜひ覚えておきましょう。
こうしたお客さまの心理を上手に利用することは、トップセールスマンになるためには、必須のテクニックです。追加購入のチャンスを活かせるかどうかで、その後の成績も、ひいてはお客さまとの付き合い方も変わってきます。営業マンはチャンスに対して常にアンテナを張り、そのチャンスを逃さないようにしなければなりません。
人は「購入を決意した瞬間」に気持ちが安心します。そのため、ほかに便利なものや役立つものなど、メインで実際に購入するものの金額に比べて、さほど高くないものであれば「ついでに」という心理状態が生まれやすくなるのです。コンビニや雑貨屋さんなどで、レジのまわりを見渡してみてください。レジの周囲には、100円程度の、ガム、電池、ライターなどの小物が並んでいます。これが、お店が実践している「お客さまが購入を決意した瞬間」に、他の商品を買ってもらう作戦なのです。
例えば、家電量販店でパソコンを購入した場合もそうです。必ずインターネットの光回線の契約や見直しの提案をされます。接客する人によっては、初めからインターネットの光回線の話をされることもありますが、購入した直後の方が契約しやすい状態なので、購入を決めた後におすすめされるケースが多いのは、そういう理由があるのです。さらには、メーカー保証が1年のところに、保証期間の延長をプラスする延長保証をおすすめされたり、初期セットアップの代行をおすすめされたりします。
仮に、家電量販店が発行するクレジットカードに入会していなければ、この機会に加入を促されたりもします。さらに、付属品であるマウス、持ち運び用のケース、プリンターなどをおすすめされることも多いはずです。
ほかには、ネット通販などの健康食品、化粧品業界で積極的に使われている「ワンタイムオファー」という強力な方法もあります。商品を注文した後に表示される注文完了ページに、必ずほかの商品が表示されるあれのことです。しかも、決められた時間内なら「○%引き」と書いてあることが多いので、つい購入してしまう方がたくさんいます。
では、こうした「お客さまの購入直後」のタイミングに、どのように他の商品をすすめればよいのでしょうか?