――7月11日には、歴代OBたちが一堂に集う「スワローズ・ドリームゲーム」も行われました。監督としても、いい気分転換になったのではないですか?
小川 ファンの方も盛り上がってくれて、喜んでいただけたようで何よりです。敵も味方も、すべてが元チームメイトですから、変な感じはしましたね(笑)。個人的には「ただただ、懐かしいな」という思いでした。チームの状態がこんな状況ですから、OBの方たちも心配されていましたし、いろいろアドバイスもいただきました。
――そして、12、13日はオールスターゲームが控えています。小川監督も、セ・リーグコーチとして出場されます。どんな意気込みでしょうか?
小川 出場するのは実績のある選手ばかりですから、とても華やかですよね。自分から他球団の選手に話しかけることはあまりないと思うけど、以前、コーチとして出場したときには「こういうときには、どんなことを考えているの?」とか質問をして、いろいろ参考になることもありました。前回出場したときに印象に残っているのは当時、中日監督だった落合(博満)さんとのやり取りでした。
――どんな内容だったのですか?
小川 具体的には差し控えますが、コーチ室でずっと二人きりだったんですけど、世間のイメージとは違って、落合さんはものすごく饒舌なんです。その中で、いろいろ質問したんですけど、落合さんはすごく丁寧に教えてくださいました。他球団の監督と、こうした交流ができるのはオールスターゲームならではという感じがします。
――では、今年はカープ・緒方孝市監督、ジャイアンツ・原辰徳監督とのやり取りの中から、何かヒントを見つけられればいいですね。
小川 今年はどうかわからないけど、例年は監督は一人で監督室なんですけど、コーチは二人でコーチ室が与えられているんです。だから、今年は原監督と二人きりで過ごすことになると思います。原監督の方が、僕よりも一歳下ですけど、彼は高校、大学とずっとスーパースターでしたからね。大学時代にはジャパンで一緒になったけど、そのときも、彼は飛び抜けた存在でしたから。
――オールスターゲームが終われば、15日からは後半戦がスタートします。巻き返しを図る意気込みをお聞かせください。
小川 5月、6月と投打にわたって低調な時期が続きました。けれども、7月に入って、ようやく投打のバランスが整ってきました。僕自身、このままで終わるとは思っていません。いつも、「先発投手が……」と言われていることで、石川(雅規)や小川(泰弘)は悔しい思いをしています。その悔しさは力になるし、野手陣も少しずつ昨年のような執念を見せ始めています。これから夏場に向けて、巻き返していきたいと思っていますし、巻き返せると思っています。引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
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