――普段、あまり感情を表に出すことなく、常に冷静な態度を意識されているように見えます。でも、審判への暴言で青木宣親選手が退場した試合(6月19日・対福岡ソフトバンクホークス戦)では、小川監督にしては珍しく、感情が露わになったように見えました。
小川 あれは反省しています。本来であれば、青木のことをきちんと守らなければいけませんでした。でも、僕がベンチを出たときにはすでに、青木は審判に暴言を吐いて退場処分を受けてしまった後で、彼を守ることができなかった。
――青木選手も、球審も、ともに興奮状態にあったように見えました。監督は、両者に対して、どのように接したのですか?
小川 球審には、「サードの塁審に確認を取ってくれ」と言いましたが、聞き入れてもらえませんでした。青木については、特に言葉をかけていません。僕がこんなことを言ってはいけないけど、正直言えば、審判に暴言を吐いた青木が悪いんです。でも、彼の背後には必死の思いがあるのはよくわかっています。ならば、指揮官としてその思いを汲んであげなきゃいけないし、青木の強い思いは大切にしなければいけないと考えました。
――青木選手が退場後、チームは逆転を許して敗戦。その後、青木選手は6月30日の阪神タイガース戦で頭部死球による退場、長期欠場後は連敗が続きました。青木選手の存在が、チームに与える影響はとても大きいのだと感じます。
小川 青木が退場になった試合では、最終回の逆転のケースでちょうど彼の打順のところにチャンスが回ってきて、得点を挙げることができませんでした。それに、戦力的にももちろんだけれど、チームのムード作りという面から考えても、青木の存在はとても大きいと思っています。これから、夏場にかけて青木らベテラン選手には、適度に休養を与えながら起用していくつもりですけれど、それで戦力ダウンとなっては元も子もない。その辺りに注意しながら起用していきたいと思っています。
――これから夏場にかけて、選手起用を含めてどのように戦っていくのか? 次回はペナントレース後半戦の戦い方について伺いたいと思います。
小川 オールスターブレイクの間に、もう一度じっくりと戦力を見直し、休養と練習をして、後半戦に臨みたいと思っています。応援、どうぞよろしくお願いいたします。