「円安や物価高騰によって、50代の転職はさらに厳しい時代になりますよね。
今の会社になんとか居座るテクニックはありませんか?」
今回はそんなお題をいただきました。会社に居座るテクニックとしては、前回もお伝えしたように、職位につくとか、専門性を磨いてアウトプットを高めるしかありません。物価が高騰し、円も安くなっているのですから、現状維持ではアウトプットは下がっていきます。1.2倍でもトントン。会社に居座りたいのなら、1.5倍のアウトプットを出すことが必要になります。
なのですが、会社に居座るのは、やめませんか?
今の仕事に生きがいを感じていたり、今までの1.5倍の価値を出していく覚悟があるなら、もちろん会社を辞める必要はありません。ですが、ただ単に今の生活を維持するために会社に居座ったり、しがみついたりしても、人生楽しくないでしょう。
1.0では居座れないのですから、この際、転職を考えてみませんか?
たしかに今後、転職が厳しい時代になっていくかもしれません。でもそれは人によります。50代でも容易に転職できる人もいます。昨今は人手不足も深刻化しています。50代の経験者を求めるニーズはたくさんあるのです。
たとえば、中小企業には「ぼっち人事」と呼ばれる、1人でやっているような人事担当者が大勢います。ぼっち人事だと、なかなかうまくいかないことが多いので、人事経験者から他社で得てきた知見を移植してほしいというニーズがあります。
経営企画でも部長候補者が欲しいとか、経理や法務でもスキルを持った経験者が欲しいとか、たとえ50代であっても、そういうニーズは多くあるのです。
時代は大きく変わりました。30年前の50代といえば初老のイメージでしたが、今の50代は、ビジネスパーソンのど真ん中世代。求めている人たちはたくさんいます。
現在はマッチングアプリで結婚するのが当たり前の時代になっています。私たちが社会人になった30年くらい前は、転職した人に対してネガティブなイメージもありましたが、今の若い世代は「転職なんて当たり前じゃん」と考えています。
転職は、むしろポジティブなイメージに変わっているのです。しがみつく努力ではなく、自分の価値を出せる場所を見つける努力をしてみませんか?
しがみつく努力をされたら、会社も迷惑、後輩も迷惑です。会社に居座られたら、どこかで鉄槌を下さなくてはいけなくなります。外に出たほうが、自分も会社も後輩も、みんなが幸せになれます。自分が価値を出せる場所を見つけに行きましょう。
転職するなら東京のいい会社などと考えず、地方に目を向けてみるのもひとつの手です。地方も人手不足の企業が多くあります。コロナ禍以降、地方に移住する人も増えています。場所を選ばなければ、転職先は必ずあります。
大リストラ時代・大倒産時代に突入したとしても、逆に転職のチャンスも広がっていきます。一歩踏み出せば、道は開けると思いますよ。