逆に「ちょっと困ったなぁ」と思う中高年は、会社が「こうやろうぜ」と決めたことをやってくれない人。管理職としての仕事を果たしていないのに偉そうにしている人。「あの人とあまり話したくなぁ」「なんかいつも文句ばっかり言っていて、いやだなぁ」と思ってしまう人、近寄りたくもない人。
こういう人が「困ったなぁ」と思う中高年でした。非協力的な態度や自身の責任を果たさない人は若手であっても「困ったなぁ」と思うことに変わりありませんが、やはり年配になるほど差が大きいです。すごい活躍をしている役員さんからお荷物社員まで、とても幅が広いため、そこはグラデーションで見ていました。
何歳であっても「あの人に相談に行こう」と思えて一定の解答を与えてくれる人はありがたいですし、そうじゃない人は困る。文句ばっかり垂れている人はダメです。
50代になったら、居酒屋で会社の文句を言うのはやめましょうね。そういう会社にしたのは、自分自身にも責任があるのです。たとえ役職者じゃなくても50代ということは30年も働いてきたのですから、会社がおかしくなった責任の一端は自分にもあると考えなくてはいけません。文句を言っている場合ではないのです。
居酒屋で会社の話をするにしても「こういうことをやったらいいと思うぜ」とか「俺はこんなことを役員に提案したらいいと思うんだよな」と前向きな話をしている中高年は、かっこいいです。上司や役員の文句ばかり言っている人は、かっこよくないです。そう思っていても言うな、です。若い人たちがいやになってしまいますから。
中高年に対する見方は、今後はよりシビアになっていくはずです。給与が高い中高年に対しては、特にそうなります。そこを厳しく見ているからこそ、多くの企業で早期退職や希望退職が導入され、45歳以上の中高年がターゲットになっているのです。
中高年はできる人とそうでない人の差が激しいため、「キツイなぁ…」という人に対しては本当に厳しく見ていくでしょうし、会社は今後、評価も下げていくと思います。給料も上がらないと思いますし、下がることもあり得るでしょう。
なぜなら会社はイキのいい若手の給料を上げてあげたいからです。その給与原資はどこから来るかといえば、働かない中高年になります。イキのいい若手に辞められたら困るので、イキの悪い中高年が黒字リストラのターゲットになっているわけです。
イキのいい中高年は、会社の中核を担っているはずですからありがたい存在ですが、イキの悪い中高年は、人事にとっていちばん重たい存在です。自分はイキの悪い中高年になっていないか、自身の働き方を改めて振り返ってみてください。
私が若手だった頃、困っていると「だったら、あの人に相談してみな。あいつがOK出したら、たぶんOKだぜ」と言ってくれる人や「俺が電話してやるよ。今、人事の西尾が来てるんだけど、ちょっと困ってるみたいだから話を聞いてやってくんない?」と助けてくれる、会社の生き字引のような、ありがたい中高年の方々がいました。
50代になったら、こういう存在を目指しましょう。人事も年齢だけで中高年を見ているわけではありません。組織のグラデーションの中で自分はどこに当てはまるのだろうか、自部署はもちろん他部署からも「ありがたい存在」でいるのだろうか。ぜひそんな風に自分に問いかけてみてください。
会社の中には中高年に対して「ありがたいなぁ」「さすがだなぁ」と見ている人も少なくありません。そういう部分を磨いていきましょう。将来、転職や独立をする場合でも、豊富な経験に基づく知識や判断能力、若手を助ける力は役に立つはずですから。
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