50代になってくると、若い社員との世代間ギャップを感じることが増えてきます。世間話でテレビの話をすると、まったく通じないことも多く、「テレビ見ないんで」と言われて愕然としてしまったりします。
これは私だけではないと思います。職場で世代間ギャップを感じている中高年の方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、「世代間ギャップを超える中高年の技」についてお伝えしたいと思います。
弊社が行った「50代社員に関する意識調査」によると、20〜40代社員が50代社員に感じる課題として最も多かったのは、「デジタルツールに対応できない」(29.3%)と「新しいスキルや知識の習得に取り組めない」(25.0%)でした。
若い世代からすると、デジタルツールや新しいスキル・知識の習得について50代社員に対して激しい世代間ギャップを感じているようです。
テレビの話ができなくても仕事には何ら影響はありませんが、デジタルツールは今や必須です。これはとにかく覚えるしかありません。デジタルツールや新しいシステムの操作を若手にやらせる、自分で覚えようとせず、同じことを何度も聞く。こうした態度は、若い世代からいちばん嫌われますので、絶対にNGです。
ただ、それはそれとして、会社の中で存在感を発揮し、リストラされないようにするためには、世代間ギャップを超えるスキルや経験をアピールすることが重要です。
前述の調査によると、20〜40代社員が50代社員に対して最も期待している能力は、「豊富な経験に基づく的確な判断能力と危機管理能力」(48.0%)と「長年の経験によって身につけた、専門性の高い知識や高度なスキル」(45.0%)でした。
この結果からもわかるように、50代社員が若い世代に絶対に負けていないのは経験値です。長年の経験で培ったスキルや知識を体系化すれば、世代間ギャップを超える技にすることができます。これはリストラ時代を生き抜く強力な武器にもなります。
体系化とは、自分だけでなく「こうやったらうまくいくよね」と他の人にも使える方法論を示すこと。自身のスキルや経験を体系化することによって、後輩に継承したり、仕事のマニュアルとして人材育成の役に立ててもらうことができます。
会社が50代社員に最も求めているのは「人を育てること」です。人材育成は、評価基準の重要なポイントでもあります。自身のスキルや経験を継承し後輩を育てることは、会社に対する多大な貢献になり、自分自身も高い評価を得ることができます。
この体系化をする際にぜひ意識していただきたいのは、「普遍性」「汎用性」「網羅性」という3つの視点です。
普遍性とは、変わりにくいもの。
汎用性とは、どこでも使えるもの。
網羅性とは、抜け漏れがないこと。
普遍性とは、時代とともに変化しないもの。たとえば、タスクマネジメントにおける「目標設定」「計画立案」「進捗管理」といった要素は、どんな時代になっても、どんな世代においても、その重要性は変わりません。
明確な目標を立て、それを実現するためのリスクも想定した計画を立て、その進捗を管理する。計画通りにいかなかったらプランB・プランCを発動させ、目標を達成する。こうしたスキルの重要性は、時代も世代も関係ありません。