ミッションは、自分自身で考えることが重要です。「上に言われました」ではダメです。上司に示されたミッションがあっても、それを具体化し、自らやるべきことを示す。そうすることで、自分自身の存在価値もアピールできます。
そのうえで上司の承認を得て、行動に移していくわけですが、そのミッションに対して「いやいや、違うでしょう」とNGが出てしまうケースも少なくありません。
よくある例としては、「売上を上げる」というミッションです。売上を上げることは、もちろん大事ですが、それだけでは不十分。
何を持って売上を上げるのか。お客様との関係をより深めるのか、より喜んでもらえるサービスを提供するのか。「より〇〇する」の部分を具体化することが重要です。
また、総務や経理など顧客との接点が少ない職種の人からは「我々にはお客様がいないので価値を提供する相手がいないんですよ」という話をよく聞きます。価値を提供する相手は、エンドユーザーとは限りません。上司や部下、経営者でもいいのです。
「経営者により早く経営数値を提供し経営判断をしやすくする」
たとえば経理だったら、価値を提供する相手を経営者にして、このようなミッションを作ればいいのです。お給料をもらっている以上、必ず価値を提供している相手がいます。その相手により多くの価値を提供することを示すのです。
自分は誰にどんな価値を提供して、お給料をもらっているのか。そのお給料に見合った価値を提供しているのか。改めて考えてみてください。
ミッションを自分で考えることが重要な理由は、もうひとつあります。上から言われたことを「そうですか、わかりました」とこなすだけでは、モチベーションが上がりません。自分の言葉にしていなければ、腹落ちしていないので身も入りません。
結果、パフォーマンスも発揮できず、評価もされません。それでは本人もつまらないし、つまらない人の周りのいる人たちは、もっとつまらないです。
私たち50代は、若い世代から見たら、そもそもつまらない存在なのです。つまらない人が楽しそうに仕事をしていたら、まだ救いがありますが、つまらない人がつまらなそうに仕事をしていたら、もはや周囲の迷惑でしかありません。
つまらない世代である私たち50代は、少なくとも楽しそうに仕事をするべきです。そのためにも「これをやりたい」「これをやるべき」と思えることを自分自身で考え、ミッション=使命とすることが必要なのではないでしょうか。
50代になると体力の問題があったり、若手がどんどん成績を伸ばしてきて、新たな目標を見出しにくい場合もあるでしょう。そういう状況に陥っている人は、部下や若手の指導にミッションをシフトするのも生き残りの術になります。
会社が50代に期待していることも後進の育成です。20年、30年かけて培ってきたスキルや経験を継承し、より多くの人材を育てる。これも立派なミッションです。
たとえば営業だったら、誰でも一定の業績をあげられる法則を伝える。有価証券やバランスシートや有価証券の見方を教える。自身が学んできたことを体系化し、マニュアルを作れば、会社の財産になり、自分自身の価値も上がります。
自分は今後、何を成し遂げるべきなのか、誰にどんな価値を提供するのか。どのようなミッションを実現していくのか。ぜひ考えてみてください。
次回につづく