話しやすい人になれば、人づきあいも、仕事も、初対面も、出会いも、家族も、すべてがうまくいくようになります。しかも、ちょっとしたコツを押さえるだけで大丈夫。だれでも、いますぐ、カンタンに、話しやすい人になれます。人の輪が広がり、情報が集まり、仕事がスムーズに進み、人生が楽しくなる――こうした話しやすい人が得ているメリットを手に入れ、人生を前向きに変えましょう!
この連載をまとめ、加筆・改稿したビジネス書『話しやすい人になれば人生が変わる』(村本篤信)が、アルファポリスより好評発売中です。
相手が話したことに対し、つい「それはどうだろう」「違うんじゃないかなあ」「いや、自分はこう思う」と反対意見を言ったり、求められてもいない自論を展開したりするのも、「この人とは話しにくい」と思われる原因となります。
相手の話をまず否定してしまう人の中には、天邪鬼気質で、何がなんでも相手が言ったことと反対のことを口にしないではいられない人もいれば、相手がどう思おうと、自分が思ったことを言わずにはいられない人もいるでしょう。
いずれにせよ、話しやすい人になるためには、相手の話を聞いたあと口を開く前に、「今から言おうとしていることは、相手をどんな気持ちにさせるか」を想像し考える必要があります。ポジティブな内容でもネガティブな内容でも、相手の話を頭から否定すると、相手の話したいという気持ちを一瞬にしてそいでしまいます。
たとえば、何か目立った特徴や特技があるわけでもなく、会社員として真面目に働いてきた人が、突然、「YouTuberになりたいんだよねえ」と言ったとします。あなたはどのようなリアクションを返しますか?
「えー! やめときなよ」「そんな簡単なもんじゃないよ」「いい歳して、なにバカなこと言ってんの?」と答えるでしょうか? 「いいじゃん。やりたいと思ったことはどんどんやりなよ」と答えるでしょうか?
私なら、絶対に後者です。私は基本的に、ポジティブな発言に対しては、ポジティブなレスポンスをすることを心がけています。
誰かが「何か新しいことを始めたい」と言うときは、実現可能性が高かろうと低かろうと、やりたいこと、未来への希望があふれていて、ワクワクが止まらない状態です。だから人に話したくて仕方がないのです。そんなときに、現実的で冷静な意見など聞きたくありません。
本当に現実的で冷静な意見がほしいなら、「YouTuberになりたいんだけど、どんなコンテンツならバズると思う?」「どのくらいの再生回数いけば採算採れるか知ってる?」など、具体的にアドバイスを求めてくるはずです。
求められてもいないのに現実的で冷静なレスポンスをするのは、無神経な人か、天邪鬼な人か、他人が嬉しそうにしているのが許せない人か、自分は冷静で賢い人間だと確認したい人か、あるいは本気で相手の将来を心配している人か、いずれかだと私は思います。
本気で相手の将来を心配してあげることはとても素晴らしいのですが、人生なんて何が起こるかわかりませんし、人には意外な才能が眠っていたりするものです。
予知能力者でも全知全能の神でもないのに、「やめたほうがいい」などと言うのは、もしかしたらおこがましいことかもしれません。
どうしても相手の言葉を否定したいときは、せめて最初に「そうだね」「たしかにそれも一理あるよね」などの一言を入れるようにしましょう。それだけで、かなり印象は変わるはずです。