最後に、やわらかい話し方。
声のトーン、話すペース、言葉の選び方、会話の内容など、あらゆる面でゆるふわ感を出していきましょう。
生まれ持った声の質はなかなか変えることはできませんが、自分比でかまいませんので、やや低めの落ち着いた声で話すこと。
少しゆっくりめのペースで話すこと。
会話の冒頭だけでもこの2つを心がけることで、相手の緊張はかなりほぐれるのではないかと思います。
そのうえで、できれば、次の3つに気をつけるといいでしょう。
● 相手の発言などを否定せず、基本的には共感モードを貫く
● 相手の発言をせかさない
● やわらかい言葉を使う
緊張しているときに、発言などを否定されたり、意見をせかされたりすると、余計に緊張してしまう。
そんな経験をしたことがある人は少なくないはずです。
どうしても受け入れがたい発言などがあった場合は別ですが、特に最初のうちは、相手の言ったことに対しては、「そうですよね」と受け入れ、共感を示す。相手が何を発言するか一生懸命に考え、焦っているようであれば、周りの景色を見る、ぼんやりしている(ふうをよそおう)などして、静かに待つ。
もしあなたのほうに、精神的・時間的にある程度余裕があるなら、そのような心配りをすると良いでしょう。
また緊張している相手との会話において、やわらかい表現を使うことは大事です。強い言葉を使う人と会話をすると、やはり人は緊張してしまいがちだからです。
とくに、ネガティブな発言をするときほど、やわらかい言葉で表現するといいでしょう。
言葉の選び方に関しては、STAGE5で詳しくお話ししますが、たとえば「嫌い」と言いたいときに、「あまり好きじゃない」と言うだけでも、かなり印象が変わります。
これについても、もしあなたのほうにある程度余裕があるなら、実践してみてください。
もう一つ、気をつけていただきたいのが、相手を観察している感じを出さないこと。
みなさんは誰かと話をしているとき、「あ、この人、私を観察しているな」と感じることはありませんか?
そんなとき、リラックスして会話を続けられる人は、そう多くはないはずです。
たいていの人は緊張し、息苦しさ、話しづらさを感じるでしょう。
もちろん、人は誰でも会話をしながら、多かれ少なかれ相手を観察しているものです。
観察しているからこそ、相手に合わせた的確な受け答えができたりもするので、観察すること自体が悪いわけではありません。
むしろ、的確に人を観察することができれば、世の中を渡っていくうえで大きな武器になるでしょう。
しかし、じっと見つめすぎたり、相手の身だしなみや持ち物、ちょっとした言動などに過敏に反応しすぎたりすると、相手は居心地の悪さを感じてしまいます。
中には、相手にプレッシャーを与えるため、萎縮させるため、「私は人をしっかりと見る、鋭い人間ですよ」というマウントをとるために、わざと観察している感を出しまくる人もいますが、話しやすい人と思われたいのであればそれは絶対にNGです。
心の中ではどれだけ観察していてもかまいません。
ですが、
● 見つめるのはほどほどにする
● 相手の身だしなみや持ち物、言動を見て気づいたこと、引っかかったことがあっても、あまり口に出しすぎない
といったことを心がけ、あなたの鋭い観察眼はうちに秘めておきましょう。