あなたは普段、自分のことをどんな人だと思っていますか?
日々の行動や選択を判断するよりどころとなるもの、それが「自分像」です。
「こんな自分が好き」という軸で選択するためには、自分を深く理解しておく必要があります。すなわち「自分像」について考えておくことは大切です。
自分像は過去の記憶から作られるもので、断片的な記憶を自らがつなぎ合わせて「私はこういう人間だ」と自分で決めている像にすぎません。
だからネガティブな人は記憶もネガティブな傾向があります。事実、過去に辛いことが多かったのかもしれませんが、それを乗り越えていまに至っているという成功体験にはフォーカスせず、「辛かった」というネガティブな記憶で自分像を作ってしまいがちです。
そして恐ろしいことに、人の無意識には自分像と現実に一貫性を持たせようとする作用があります。ネガティブな自分像をそのままにしていると、現実に起こることまで自動的にネガティブになっていく可能性があるのです。
いつも途中でダメになる自分。長続きしない自分。ちょっと運が悪い自分。
そうして繰り返される失敗のパターンには、偏った過去の記憶から作られた自分像が影響している場合が多いのです。それは非常に強固なイメージで、仕事やお金、恋人など自分の外側にどんな付加価値をつけたところでなかなか書き換えることはできません。
でも私たちは、その強固な自分像を書き換えられる唯一のカギを、もともと自分の中に持っています。そのカギこそ、心に置き去りにされ蓄積された「未処理の感情」です。
本当はイヤだったけれど誰かの期待に応えるべく何かをガマンしたり、場の空気を乱したくなくて本音を隠したり、そうやって心に生まれた感情を「なかったこと」にしてしまう場面は、誰の人生にだって当たり前にめぐってきます。
しかし、一度生まれた感情は当人が見て見ぬフリをしたからといって、都合よく消えてしまうわけではありません。心の中に押し込んで無理やりフタをしているようなもので、容量をオーバーすれば当然ながら溢れてしまったり、爆発を起こしたりするのです。
つまり未処理の感情が心に積もり積もったとき、私たちの現実には様々な不具合が起こり始めます。