あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

今年こそ難関資格に合格!――失敗しないために気をつけるたった一つのこと

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「挑戦中の旅行」は避ける

このように、勉強中の休みは重要ですが、それでも制限すべき部分はあります。
休みを取ると、当たり前ですが、詰めこんだ知識は抜けてしまいます。1日休んだくらいなら、忘れてしまったところをすぐに取り戻すことは可能です。ただ、何日も連続して休んでしまうと、抜ける部分も多くなってしまいます。そのため、連続して休みを取らないことが、順調に実力を伸ばすために大切です。
従って、連続して休まないとできないことは、挑戦を続ける間はあきらめたほうがよいでしょう。
試験の難易度にもよりますが、個人的には、税理士試験や司法書士試験など、専業受験者がそれなりの割合を占めるものについては、手を抜いて合格することは難しいと思います。
働きながら専業受験生に勝つには、ある程度の犠牲を受け入れなければなりません。

遠隔地への旅行など、日数がかかるものは、勉強中は我慢しましょう。あらかじめスケジュールを調整し、試験が終わった直後など、休んでもいいタイミングに、ご褒美として実施すると良いでしょう。
どうしても旅行に行きたい場合は、1泊半の旅行とし、土曜日の午後に出かけて、日曜の夜に帰宅するなど、勉強に大きく影響しないプランを立てることをおすすめします。

休みを増やすと知識が抜ける量が増え、結果的に受験期間も長くなってしまう可能性が高いので、人生が遠回りになってしまいます。
長い目で見れば受験期間は人生のほんの一部分ですから、少しだけ行動を制限し、勉強に打ちこんだほうがよいでしょう。

休むときは「完全に勉強から離れる」

具体的な休みの過ごし方についても考えてみましょう。大切なのは、とにかく勉強から離れることです。せっかくテキストや問題集が手元になくても、頭のどこかに試験のことがちらつけば、なんとなく休むのに抵抗感が生まれます。

休むことは長期的視野で見ると戦略的に必要だと理解し、リフレッシュを第一目的にするよう心がけましょう。頭の隅からも試験に関することはなるべく排除し、目いっぱい楽しむことが大切です。
そうしないと、せっかく休んでも、ストレスが解消できず、休み明けから全力で努力ができません。

また、せっかくの休日であっても、ノルマが終わっていなければ、どうしても罪悪感を覚えてしまいますし、そもそも順調に実力が伸びません。
休みはあくまでも努力の対価として得るべきであり、いたずらに休むことに意味はないことも忘れないようにしましょう。やるべきことをしっかり終わらせたうえで、回復に全力を尽くせる心理状況を作ることに努めましょう。

休みの目的は「勉強を効率化する」ため

休日における時間の使い方にも注意が必要です。
資格試験への挑戦中であれば、当たり前ですが、最大の目的は合格することです。
受かるか、落ちるかは、その後の人生に取り返しのつかないほどの差を生むことがあります。
たとえば、税理士や司法書士など、士業の子に生まれ、試験に挑戦するものの結局合格できず、親が死んだときに路頭に迷うケースは珍しくありません。
そうすると、合格できなかったというシンプルな事実が、人生の最後までついて回ります。
そのような立場でなくても、真剣に挑戦して、最終的にあきらめてしまうと、悔しさやむなしさが胸のどこかに残ってしまうでしょう。

私が、公認会計士試験に挫折したときもそうでした。
公認会計士になりたいという気持ちは消えていましたが、仕事で公認会計士に会うたびに、心のどこかに、「自分は試験に挫折した情けない人間だ」という感覚がありました。
それはなんとも言えないみじめな思いで、あのまま仕事を続けていたら、死ぬまでどこかで後悔する気持ちは消えなかったでしょう。

この本を読んでいる皆さんには、私のようなつらい思いをしてほしくありません。
資格試験の合否は、ほんのわずかなことで、天国と地獄に分かれます。
悔いを残さないためにも、挑戦している期間中は、優先順位を勉強に置くことを忘れないようにしましょう。

そのような観点に立つと、休みの主目的も、勉強を効率化するためのリフレッシュにあると理解できるはずです。
従って、翌日に疲れを残すような過ごし方は極力避けるようにし、回復に全力を注ぐことを意識すべきです。休養日であっても、早めに帰宅し、平日と変わらない睡眠時間を確保したほうがよいでしょう。

長くつらい受験生活においては、継続することを重視して行動を決めましょう。
心と体のメンテナンスはペースを一定に保つために必須です。戦略的に回復し、勉強を効率化するために、休みの過ごし方も勉強と同じくらい真剣に考えてみましょう。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)元店長、ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

著書

意志の力に頼らないすごい独学術

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石動龍 /
キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備...
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